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「銭ゲバ」終わる

今期クールの中で、唯一最初から最後まで見たドラマ。
最終回は、自死を覚悟した風太郎の脳裏をめぐる
「自分がほしかった幸せ」の物語。
椎名桔平扮する父親はマジメなサラリーマンで、
風太郎少年は、浪費癖のあるちょっとワガママな野球少年で、
母親の病気は手術で治って、
サイフを拾った風太郎は警察官に届ける正直者で、
彼は大学も受かって、
そこで茜と知り合って、
フツーの生活の中で三國茜と結婚する。
子どもが生まれる。
それが、風太郎がほしかった「幸せ」である。
父親はろくでなしじゃないから、風太郎の目に傷はない。
しかし、
生まれつきあざがあるはずの茜の頬にも、あざはない。
「お父さんが働き者だったら」
「お金があったら」
すべてがうまくいったはずだ、と風太郎は考えていたかもしれないが、
実は
アタマの中では都合の悪いことはすべてなしになっていて、
すべては一方的な願望で、
「カネ」とはまったく違うところでねじ曲げられている。
自分がこうなったのは、「カネがなかったせいだ」と思い込んでいるけれど、
そればかりではないことが、ふと感じられる。
「世の中、カネじゃない、心だ」といわれるのが何よりきらいで、
そんなことを言う人間を、カネの前に屈服させたくて、
実際、札ビラでほっぺたたたくようなマネをして。
でも、本当は信じたかった。
「やっぱり、心なんだ。お母さんの言ったとおりなんだ」って。
それで、
誰も彼もがカネにひざを折るのを目の当たりにして
彼は死ぬことにした。
……のようだけど、そこが響いてこない。
なぜ、風太郎は、死ぬんだ?
毎夜襲ってくる悪夢から逃れたかったから?
実は、茜のことを愛していて、彼女の死に耐えられなかったから?
どれもこれも、説得力がない。
「死んでやる!」と彼が叫びたくなるまで追い詰めたのは、
いったい何なんだろう。
話の途中から、
風太郎が「銭ゲバ」ではなく、
単なる「冷血殺人不感症」になってしまった感があり、
イマイチ感情移入できなくなる。
もっとも期待していた椎名パパのワルぶりも、影をひそめ、
あんな楽しくて気のいい男だったら、
カネがなくたって、家族にもっと笑顔を見せていたような気がしてきた。
尻すぼみだったな~。
それらすべてを帳消しにするくらいすごかったのが、
「流星の絆」にも出ていた風太郎の少年時代を演じた子役・齋藤隆成クンの熱演。
演技とも思われない感情のバクハツに、
「子どもにこんな思いさせちゃいけないよ……」と、思わず胸が痛くなるほど。
彼の前に出れば、松山クンもかすむほどです。
これからの彼にますます期待です。

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