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大阪市の中之島図書館を守りたい

大阪市の中之島図書館の去就について、
こんな記事を見つけ、
意見を募集しているとのことだったので、
大阪毎日新聞社に意見を投書しました。
以下、意見です。
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大阪市を愛し、大阪市の興隆を望み、
大阪市が国際都市として名誉ある地位を確立するためには、
中之島図書館は図書館として存続することが不可欠だと思います。
私は2011年に、初めてニューヨークに旅行に行きました。
そのとき、ニューヨークの州立図書館の素晴らしさに度肝を抜かれ、
ここは知識と教養を愛する人のつくった町なんだな、とつくづく思いました。
「殿堂」という言葉の意味をかみしめました。
本には知識の神様が宿る。
だからこそ、ギリシア建築だったりするのでしょう。
「知」「教養」へのリスペクトが「殿堂」を作らせたのです。
上野の国際こども図書館(かつての国会図書館)は、
それまでに既に訪れたことがありました。
ここがニューヨークの図書館をイメージして作られたのは明白です。
そっくりですから。
なぜ「そっくり」なのか。
ただの「サルマネ」か。
いいえ、違います。精神の継承なのです。
2012年、私は初めて大阪市をめぐる旅行に行きました。
水上バスの説明で、中之島図書館設立のいきさつ、
「大阪が大都市でありながら図書館がないのは恥ずべきこと」という
財閥人としての住友氏の考えを知りました。
大阪のお金持ちっていうと、
なんかエゲツナイ、お金儲けのことしか考えてない、
お金を貯めること、値切ること、そんなことしか考えてない、
そんなイメージを持たれがちですが、
自腹切って図書館作ったんですよ。
大阪のために。
すごいことですよ!
お金のある人っていうのは、まず知の財産として書斎をつくるものなのですよね。
蔵書の質や量はただ「持っている」ということではなく、
「何に興味があるか」を示すステータスであり、
国際人として誰にでも認められるための第一歩であるということを、
このころの政治家や財閥家の方々は理解していたと思うのです。
江戸時代の知識人の教養はハンパないですから。
図書館には世界の知識とともに、我が国の文化、歴史が蓄積されます。
それを「誰もが」「自由に」「無料で」使えるのが公立図書館です。
お金持ちが自分の蔵書を意欲ある有望な若者に貸し与える習慣は、
江戸時代にもあったと聞いています。
お金のある人が、自腹を切って自分の書斎を万人に公開することで、
国民の教養が上がり、国力がついて、日本という国が大きくなったと思うのです。
中之島図書館の価値は、外観だけではありません。
最高の「知」を、最高の「美」の中に収め、都市の中央に置くことは、
最高の「知」を、最高の「美」の中に収め、自宅の中央に置き、
客人が訪れたら「まずは書斎にお通しする」という考え方に沿っているのです。
あの建物は「知」の入れ物にふさわしい外観として作られました。
そして、あの地が「大阪の中心」だからこそ、あそこに建てられました。
その意味を、大阪の方々に広く知っていただきたいと思います。
大阪が世界に誇る都市だという自負が、中之島図書館はつくらせたのです。
耐震工事をしてください。
改良してください。
使いやすくしてください。
そして、図書館として、中之島図書館を存続させてください。
最高の立地に、大阪の「教養タワー」を維持してください。
カフェがあってもいい、
建物のバックステージツアーがあってもいい、
フィルムコミッションがあってもいい、
でも、本があっての図書館、本があってのあの建物だと思います。
京都の国際マンガミュージアムに、外国人が押し寄せています。
まんが図書館です。
日本の文化に外国人が感動しています。
「ただで」「文化を得られる」システムが、人々を感動させているのです。
知の殿堂こそ、人々の尊敬を集めるのです。
見せ方に工夫は要るかもしれません。
でも「本」がなければ、ハナシになりません。
どんなに古い本でも、どんなに「汚い」本でも、それは宝物です。
そのことがわかる人々を一人でも多くつくることこそ、急務です。
明治維新のとき、
この中之島図書館を「日本のために」つくった住友家の人の気持ちを、
「維新」の人は汲み取っていただきたいと思います。
世界にリスペクトされる都市づくりをめざして。

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