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結城座「浮世の奈落・黙阿MIX」@東京芸術劇場

結城座というのは、なんと創立375周年を迎えた人形芝居の一座です。
375年ですよ。
初代結城孫三郎が、
1635年に説教節糸あやつり人形の結城座を設立、
1764年に義太夫節による興業に転進、とのことです。
歌舞伎で有名な「加羅先代萩」も、もとは結城座のための書き下ろしだそうです。
そんな結城座が、
河竹黙阿弥を軸にして、
たくさんの歌舞伎のさわりを織り交ぜながら
江戸から明治へと変わる時代の歌舞伎について、
移り変わる「芝居」の地位や、あるいは「芝居」とは何かについて、
物語にしています。
作・齋藤憐。
齋藤氏は結城座に何本も書いてはいるが、
今回は自分から持ち込んだ作品だという。
黙阿弥という人物へのリスペクトを、
江戸時代から行き続ける結城座で結実させたいという気持ちからである。
糸あやつりの人形の動きや表情は、それは見事なもので、
最初は思いのほか小さい人形にびっくりしてしまったが、
ただ1人「人間」が演じている黙阿弥との掛け合いも違和感なく感じた。
役者が賎民としておとしめられていた時代、
あるいは「歌舞伎がエキセントリックなことをするから世の中が乱れる」
といわれていろいろと指導や規制があった時代。
そう、
猟奇的な殺人事件が起こるたび「ゲームのせい」といわれるように。
あるいは
映倫その他、「自主規制」が求められるように。
「芝居は世の中の鏡なんですよ」という、黙阿弥の言葉が印象的だ。
この前いった井上ひさしの「黙阿弥オペラ」とかぶる時代設定なのだが、
歌舞伎作者としての黙阿弥を前面に出しているから、
面白かったけれど、
歌舞伎をあまり知らない人には、どういうふうに映っただろうか。
ストーリーも多少駆け足のところもあったし。
筋を追うだけでは多少疲れてしまうかもしれない。
途中「写し絵」なる影絵投影のような部分もあり、
(これは前作でもあったそうな)
芝居小屋のおどろおどろしさが再現されていた。
ちょっと隠微な世界である。
人形にも色気のある人形、翳のある人形などがあり、
使い手の力量が外に出るものなのだな、と思った。
またまた新しい世界である。
東京・池袋の東京芸術劇場小ホール2にて、10/11まで。

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