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「御名残三月大歌舞伎」第二部・第三部@歌舞伎座

「農業少女」も「文藝春秋」もまだ「後日」分を書いていませんが、
昨日の歌舞伎座も短感を書いておきます。
今日も今日とて、昼、夜、と劇場をまわるので、ほんと短感ですみません。
これで三月は第一部から第三部まで全部見たことになりますが、
菅原伝授手習鑑が各部に埋め込まれていて
「加茂堤」→「筆法伝授」→「道明寺」と順に見られたのがよかったです。
「筆法伝授」では、源蔵の梅玉が若々しく、
また東蔵の稀世がかもす小悪人の滑稽さがはじけていて楽しく、
テンポのよい舞台でした。
しかし白眉はやはり「道明寺」。
覚寿の玉三郎。セリフの一つひとつ、一挙手一動に感情の裏づけがある。
泣くにしても、驚くにしても、階段一つ登るにしても、そして、
鬼の形相で挑むときも、脱力感の顔も……。
歌舞伎の様式の中に浮かび上がるリアリティ。
これだから、玉三郎はすごい。
はたまた、菅原道真の仁左衛門もさすが。
前半は感情を表に出さない。
このアイスドール的な冷静さが、伏線の役作りともなっている。
そして後半、
別離が近くなってから少しずつ気持ちが外に出始める。
そして最後は…。
この「寡黙な男」のギリギリな悲しみの表現が素晴らしい!
秀太郎、孝太郎もよかったです。すごい布陣!
白浪五人男もぜいたくでしたね~。
菊五郎の弁天小僧って、「男」に戻ってからがすごいの。
あれに惚れるわ~。
なんていなせなの!!!!
吉右衛門と幸四郎が両腋かためて、五人男勢揃いっていうのも
見ごたえありました。
この二人の声の貫禄は、突出していました。
そして「石橋」。
富十郎、出てきたとき、あんまりわかいんで、
違う人かと思った。
この人の踊り、好きです。(声も好きだけど)
愛息・鷹之資との共演のために新しく作った振りということですが、
鷹之資もがんばっていました。
歌舞伎座の中央で、人々の視線をすべて集めるって
それだけで大変なことですね。
それも隣りに富十郎がいるんですから。
そのど根性が見てとれる、必死の矜持に好感が持てました。
ということで、
あとは四月の3回を残すのみ。
誰か、私に第一部と第三部の席を!!

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