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五月花形歌舞伎(夜の部)@新橋演舞場

海老蔵の助六!
やっぱりこれに尽きるでしょう。
この人、ほんとにカッコいい。
福助の揚巻が入れあげるのもよくわかる。
誰かが言ってた。
今だから、今だけの、若い海老蔵の助六。
絵づらだけなら天下一品。
それだけでも、彼が助六をやる意味はあった。
ただね~。やっぱり台詞まわしは……。
だから福山かつぎの亀三郎の達者ぶりに、
大いに拍手が上がったのもむべなるかな。
よく通る声で台詞がこなれていると、本当に気持ちがいい。
福助の揚巻もよかった。
御名残四月の舞台では白玉役で、
これも好みだったんですが、
揚巻も堂々と、たっぷりと見せてよかった。
今回白玉は七之助だったんだけど、
やっぱり女形って、若い、きれい、だけじゃダメなのね。
七之助はおいらん役は初めてだったらしく、
きれいに足をさばけない。
歩くたびに着物の裾がはさまったり上がったりしてしまうの。
その点、福助の足元はほんとにしなやかで、
本当に華麗だった。
声のトーンも七色。
やさしい、意地悪、惚れてる、意地がある、
とっても人間的で、魅力的なおいらんだった。
七之助は、「熊谷陣屋」の相模役もいまひとつだったな~。
ていうか、
藤十郎と比べちゃかわいそうだけど。
女形っていうのは、ほんとに難しいということの表れかもしれない。
藤の方の松也はきれいだったし台詞もしっかりしていて、
私は好きだった。
ただ、台詞があるときはいいけど黙っているときの演技はまだまだ。
子どもいとしさに戦場まで来てしまった二人の母親の明と暗っていう
この芝居は難しすぎる。
それを見事にやってのけた藤十郎と魁春がすごかったというべきか…。
熊谷直実役の染五郎は、
やはり吉右衛門がよすぎただけに、見劣りはする。
公演も終盤に入って、声も枯れ気味だったのが惜しい。
ここでも海老蔵の義経の美しいこと。
こちらは台詞もよく通り、いい味を出していた。
うかれ坊主の踊りは松禄。
この人の踊りは本当に音楽的だ。
私は大好き。
この人も、もう少し声がよければ、もっと好きになるんだけどな~。
私、やっぱり声フェチ??
今回の五月の演舞場で、
私がもっとも感心したのは、
「寺子屋」で見せた勘太郎の千代だった。
勘太郎の女形が思いのほかいい、と思った最初は
亀姫が最初だけれど、
この千代は、本当に造詣が深く、一流だ。
進化の道半ばながら、海老蔵は、
助六、松王丸、義経、と存在感を出していた。
これからが楽しみ。
染五郎は、「寺子屋」の源蔵が私は好み。
「助六」の白酒売りも見事。
彼も芸幅が広い。台詞の呼吸が抜群。
勘太郎と染五郎で身代わり座禅とか、楽しそうだな~。

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