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松尾塾「子供歌舞伎2011」@国立劇場小劇場

松尾塾が毎年大阪、京都、東京で公演を行っている
松尾塾「子供歌舞伎2011」
東京公演の二日目8/28を見てきました。
大阪A組、東京A組チームです。
子供歌舞伎とあなどるなかれ。
浄瑠璃や常盤津、お囃子鳴り物、と一線級の方々。
竹本葵太夫、鶴澤慎治、一巴太夫、などなど。
衣裳も装置もプロ級。
今回は「神霊矢口渡」から頓兵衛住家の場(福内鬼外=平賀源内)、
「傾城阿波の鳴門」どんどろ大師の場(近松門左衛門)、
「釣女」(河竹黙阿弥)。
圧倒的に「傾城阿波の鳴門」が素晴らしかった。
何が素晴らしいって、お弓役の古里一花さん(14歳)が、天才的な演技!
父母会いたさにたった一人で大阪までやってきた幼い巡礼が
理由あって阿波に残してきたわが子おつると知るが、
今は名乗ることができないという母親の苦悩を、
本当に見事に演じました。
立ち姿やしな、うなじの傾き具合だけで女の悲しみを背負っている。
ほかの子供たちと決定的に違うのが発声で、
年増の女の落ち着きとやつれをきちんとセリフに落とし込んでいた!
ありえないくらい完璧。脱帽でした。
母子の哀しい対面にほっとする笑いを提供する
尼二人の漫才掛け合いをやった鈴木哲平くん(11)、小野澤春輝くん(10)もよかった。
お大師さんにおまいりする前にだんごをねだる丁稚とおかみさんのかけあいは、
おかみ=中川典子さん(11)、丁稚=石原大雅くん(8)
めりはりがあって、リアリティがあって、楽しかった。
おつるの嶽瑞希くん(8)は、パンフレットを見るまで、ずっと女の子だと思ってた。
ものすごく顔が小さくて、お人形のようにかわいかった。
いい声で、いわゆる歌舞伎の子役セリフの言い回しを踏襲していました。
今回で卒業する立川奈都季さん(14)のお舟(「神霊矢口渡」)もよかった。
人形振りもあって難しかったでしょうが、
役柄の気持ちを自分の自然の気持ちに引き寄せて表現しようという努力が、
ものすごくわかって好感が持てた。
形だけ歌舞伎にしようというのではない、意気込みを感じました。
「神霊矢口渡」で悪役・頓兵衛、「釣女」ではコミカルな醜女を演じた多田陸人くん(13)も、
芸達者。
「釣女」で太郎冠者をやった上口慧くん(14)もよかった。
狂言の発声が心地よく、足もよくあがって踊りも軽快、
狂言のキモをうまくおさえていてすごいなあと思った。
古里さんは、去年は「加羅先代萩」の政岡をやったらしく、
これ、見てみたかった~!
来年、古里さんの舞台を絶対見たいと思いました。

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