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今年の舞台を振り返って

2008年に見た舞台で、何がいちばんよかったか?
一つ挙げろ、といわれたって、困る!・・・というほど
いい舞台が多かったように思う。
清水邦夫の脚本の美しい日本語に酔った「我が魂は輝く水なり」
松尾スズキの音楽へのこだわりを知った「女教師は二度抱かれた」
どこまでもアグレッシブ、古きを訪ねても新しい野田秀樹の「The Diver」
オーソドックスな名作に古さを感じさせなかったルヴォーの「人形の家」
誰もが知っているストーリーを思いもかけない形にまとめあげた
蜷川幸雄の「ガラスの仮面」
演出・脚本では、この5作が光った。
さすがの名優、はまり役、という意味では
「エリザベート」の山口祐一郎(トート)と涼風真世(エリザベート)。
「ミス・サイゴン」の泉見洋平(トゥイ)。
「仮名手本忠臣蔵」で見た片岡仁左衛門(由良助)の懐の深さも忘れがたい。
逆に、これからを期待したいのが
「ガラスの仮面」の奥山佳恵(亜弓)と
「ミス・サイゴン」のソニン(キム)。
歌舞伎では、「仮名手本忠臣蔵」で何役もこなした
中村勘太郎の伸び方に眼を見張った。
バレエでは、
ボリショイバレエのマリーヤ・アレクサンドロワに釘付け。
オペラ座のダンサーを中心とした「オーチャード・ガラ」の華やかさも記憶に残る。
男性ダンサーの退団が相次いだ東京バレエ団では、
中島周がスターのオーラを放っていた。
Kバレエは熊川が「白鳥の湖」で素晴らしい全幕もの復帰を果たしただけに、
「海賊」での再負傷が非常に残念。
去年の怪我から復帰した橋本とともに、来年に期待したい。
ミュージカルでは
TSミュージカルファウンデーションの「タン・ビエットの唄」と
音楽座ワームプロジェクトの「リトル・プリンス」が
内容・キャストともに光輝いていた。
いずれも、東京では東京芸術劇場が2月に行った「ミュージカル月間」での上演。
この月間に上演されたもう1作「妊娠させてよ!」も意欲作で、
非常に内容の濃い企画だったと思う。
「タン・ビエットの唄」と帝劇の「ミス・サイゴン」
「リトル・プリンス」と別役実の「星と風の物語(星の王子様)」。
いずれ劣らぬ競作だ。
物語が伝えたいメッセージが、スタッフ・キャストの共通理解と
舞台への努力、観客への愛情あふれる作品へと結実している。
私は改めて「ミス・サイゴン」が好きになったし、
「星の王子様」を初めてわかったと思えた。
来年早々は、「ザ・パイパー」に注目だ。
「人形の家」主演の宮沢りえ・「SISTERS」主演の松たか子が
「The Diver」の野田秀樹。
今乗りに乗る二人の女優がどう相対するか、非常に楽しみである。

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