映画・演劇・本・テレビ、なんでも感動、なんでもレビュー!

  1. 舞台
  2. 21 view

松尾芸能賞、大賞は草笛光子さん

今年で29回目となる、松尾芸能賞。
「旅回りの役者から身を起こして15歳で興行師となった」松尾國三氏が成功の末に始め、
現在3代目の昌出子氏が理事長を務める財団法人松尾芸能振興財団が
その年に活躍した芸能関係者に贈る賞です。
私のブログでいつも話題にしている人たちも、
たくさん受賞しています。
中村勘三郎は、勘九郎の時、新人賞と大賞と、とっていますねー。
蜷川幸雄、市川亀治郎、市村正親、麻美れい、寺島しのぶ、松たか子、
島田歌穂、大地真央、平幹二郎、江守徹、中井貴一、真田広之、仲代達矢、
山田洋次、市川崑、坂東玉三郎…もう挙げたらキリがない。
今回、大賞は女優の草笛光子さん。
「芸歴は長いので、賞はいろいろいただいていますが、大賞というのは初めてなんです!」と
とても嬉しそうでした。
NHKの朝のテレビ小説「どんど晴れ」のお女将役から
ブレヒト音楽劇「肝っ玉おっ母と子どもたち」まで、
本当にものすごい活躍ぶり。
優秀賞に選ばれたのは、
五大路子さん(女優)、
桂歌丸さん(落語家)、
いではくさん(作詞家)、
中村芝雀さん(歌舞伎役者)。
五大さんは、横浜メリーを題材とした「横浜ローザ」をはじめ、
横浜から演劇を発信してきた活動が授賞の理由になっていました。
プレゼンターが読み上げるその言葉を聞きながら、思わず涙がこぼれた五大さん。
地道な努力が報われた瞬間でした。
だんなさんの大和田伸也さんもいらしていました。とてもステキでした。
歌丸さんは、ずっと続けてきた円朝怪談噺で、
去年、最後の作品まで語り終えたことが主な授賞理由。
歌丸さん、まだまだお元気。
今、ちょっとした落語ブームですが
「ブームが来ると、怖い。これを続けられるかは、落語家の責任」とおっしゃってました。
まだまだ若いモンには負けられません、とも。
いではくさんは、今年作詞家デビュー35周年。
千昌夫さんの「北国の春」や、杉良太郎さんの「すきま風」が有名です。
懇親会では、以前松尾芸能賞新人賞を受賞した藤原浩さんが、これらの曲を披露しました。
芝雀さんは、特に「吃又」のおとくと
「昔語黄鳥墳―うぐいす塚」の腰元・幾夜の役作りが評価されていました。
また、功労賞には、今年90歳でなお現役演出家にして、
一昨年には「パラダイス一座」で役者にも挑戦した
文学座の生き証人、戌井市郎氏が選ばれました。
まだまだお肌の色艶もよく、まだまだ続けられそうな感じ。
お祝いに、昨年の大賞受賞者、江守徹氏もかけつけていました。
ほかにも
新人賞に箏楽の山登松和氏、舞踊の藤間万惠氏、
功労賞に京都舞踊の井上かづ子氏、政枝氏が受賞しました。
私は、今回初めて松尾芸能賞の授賞式を見ましたが、
何より印象的だったのは、
賞状に一つとして「以下同文」がなかったという事実。
一人ひとりの活躍ぶりをスクリーンで紹介した後、
プレゼンターは、受賞者の努力と功績を具体的に示し、
「だからあなたを選びました」をはっきりと言葉にしてくれます。
芸能を愛し、芸能を支える人を愛し、
彼らを讃え、支援するためにある賞なんだな、と深く感じ入りました。
式冒頭の松尾昌出子理事長があいさつの中で
「ニセものの出回る時代だけれど、今日ここにご紹介する方々は、みなさん本物です!」と
高らかにおっしゃっていたのも、心からの言葉だと確信。
授賞式は六本木一丁目のANAインターコンチネンタルホテル東京の
プロミネンスホールで行われました。
お召し物も素晴らしい方々がたくさんの、ものすごーく華やかなパーティーでした。

舞台の最近記事

  1. 内博貴主演「シェイクスピア物語」

  2. 演劇界休刊の衝撃

  3. 動画配信を始めました。

  4. 「桜姫〜燃焦旋律隊殺於焼跡」@吉祥寺シアター

  5. 8月・カンゲキのまとめ

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。


Warning: Undefined variable $user_ID in /home/nakanomari/gamzatti.com/public_html/wp-content/themes/zero_tcd055/comments.php on line 145

PAGE TOP