塩の街
ある日突然、東京湾に突き刺さった塩の隕石。
あっという間に広がる「塩害」で、人は「塩の柱」になってしまう…。
そんな荒唐無稽な設定でありながら、
中身はまっすぐに恋をみつめるウブな男たち女たちの、
純なラブストーリー。
そして
「この世の終わりが見えたとき、
人は他人を押しのけても生きることができるか」という命題を、
とっても真摯に提示している。
今やライトノベルの大家の1人、有川浩が
デビュー時に書いた作品。
非常に完成度が高い。
伏線の張り方、魅力的かつミステリアスな登場人物の造形、
語り手の視点を変えながら綴る手法がアマチュアっぽいのに効果的。
穏やかな時間と急展開による緊張が作るリズムは、
ぐいぐいと読者をつかんで離さない。
そして、
ありえない話なのに、リアル。
これ、素晴らしい。
オムニバス的に短編が連なって、一つの作品が仕上がっている。
中高生から大人まで、幅広い年齢におススメです。
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