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「幸福な食卓」

「今日から父さんは、父さんをやめようと思う」の一言から始まる、
幸福な食卓」は、静かな、しかし思いのたくさん詰まった映画です。
昨年末から、週に2本以上試写を見続けていて、もっとも感動した作品。
絶対見て! というくらい、オススメです。
なんといっても、「ティーンの恋」が初々しい。
その爽やかさ、甘酸っぱさと、心の中に押し込めた大きな不安とのコントラストが、
自然に、そして確実に描かれています。
主演は北乃きいと勝地涼のフレッシュコンビ。
脇を石田ゆり子、羽場裕一がかためます。
佐和子の兄に平岡佑太、その恋人にさくら。
「恋するハニカミ」で全国区となったさくらが、
静かな水面に投げ込まれた小石のようなスパイスとなっています。
説明を排したとつとつとした流れの中から、
ヘンなパスタ料理を作る無責任ママが、どんな決意で家を離れたか、
子どもほったらかしでマイペースな父親が、どんな地獄から生還したか、
次第に明らかになっていきます。
家族って何だろう、というより、
生きるって何だろう、と自分に聞いてみたくなる話。
最後、川沿いの土手を歩く主人公・佐和子の長い歩みとともに、
心が元気になっていく、素晴らしい2時間です。
そこに流れるのはミスチルの「くるみ」。
音楽担当の小林武史は、この映画の原作本に感銘を受け、
快く引き受けたとのことです。
(この曲はMr.Children/しるし(CD)に収録されています)
私が雑誌『Wife』で連載している映画コラム「気ままにシネマナビ」でも、
今月号ではこの「幸せな食卓」をメインで紹介しています。
こちらでは「食卓」に焦点をあてて書いています。
(「家族」関連で洋画DVD「うちへ帰ろう」もサブで紹介)
瀬尾まい子・著の原作本幸福な食卓

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