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濃尾地震の教訓@「歴史は眠らない」(NHK)

今「震災」といえば、阪神淡路大地震のことを言う。
その阪神淡路大地震からもすでに16年経ち、
この直近の震災でさえ、知らない人に伝えるのが難しくなったという。
私が小さい頃、「震災」といえば、関東大震災だった。
もちろん、大正時代に生きてたわけじゃありませんよ!
私の両親だって生まれてない。
それでも親から子へ、そのまた子へ、とその恐ろしさは語り継がれていた。
学校で9月1日に、なぜ避難訓練や子どもの引き取り訓練をするかといえば、
それが関東大震災の日だからですからね。
ぐらっときたら、まず火を消せ。
そして窓やドアをあけて外への通路を確保しろ。
でも、あわてて外に出るな。上から瓦が降ってくる。
一番安全なのはトイレ。狭い面積に柱がたくさんあるから。
そんなことが繰り返し語られた。
今でも「ぐらっときたら火、ドア」は、
多少大きな揺れがきたら、反射的に体が反応してしまう。
「地震」は東日本の専売特許のように思われていて
「関西には地震は起きない」とさえいわれていたけれど、
そんなふうに長いこと大震災に無防備だった関西を大地震が襲った16年前、
今度は東京にいた私のほうが、まったくのほほんとしていた。
未明の大震災発は、朝方からニュースにはなっていたが、
その全貌は明らかではなかった。
しかしその不明瞭な情報でさえ、私が知ったのはお昼過ぎだ。
子供を幼稚園に送って、文具屋さんでの短いやりとりは、
「どうも大阪のほうで地震があったらしい」
「へえ、そうなんですか」
それだけである。
あれほどの被害が発生し、その傷跡がこれほど深く残るとは。
現代社会で震災によりライフラインが寸断される恐ろしさを、
私たちは初めて知った。
阿鼻叫喚の震災地から命からがら歩いて脱出すると、
数キロ離れたその町では煌々と電気がつき、物があふれ、
何事もなかったかのように、いつもの生活が当たり前のようにあった。
同じ日本にいながら、どうして私たちだけがこんなに大変な思いをしているの?
あの人たちは、なぜ普通に暮らしているの?
なぜ私たちを助けてくれないの?
なぜ一緒になって力を貸してくれないの?
そんなふうに思った人はたくさんいた。
ごめんなさい。
でも、
たくさんの人がボランティアに訪れたこともたしか。
この「ボランティア」、日本人には珍しい、新しい動き、とか言われていたけれど、
明治24年に起きた濃尾地震のときのことを見てみると、
フォッサマグナの上で起き、名古屋・大垣を中心に7000人以上が亡くなった
この濃尾地震のときに、
すでにボランティアがとても活躍したことがわかる。
災害募金もたくさん集まった。
これら全国からの支援の手は、マスコミ報道によって広がった。
軍隊による災害救助活動もあった(これは後に総理大臣になる桂太郎師団長の独断)。
国からの特別義捐金もあった(松方首相が天皇に奏上し、国家予算の3%を賜る)。
首相は震災から2日後に、自ら視察に訪れている。
炊き出しもあった(水害の多いこの地域では、炊き出しのネットワークがすでにあった)。
義捐金のほとんどは、長良川の堤防復旧に使われた(二次災害の防止に不可欠)。
しかしその復旧作業には多くの被災者が参加、
結果的に被災者への現金収入となって市民の生活を支えた(公共事業による雇用対策)。
明治24年、
この濃尾地震のときに、現在の震災復興マニュアルのひな型ができた。
知らなかった。
「濃尾地震」自体を知らなかった。
ダメだね、私。
番組では、
「公助」(公的支援)、「共助」(地域外からの支援)、「自助」(被災者同士の助け合い)
あるいは「リーダーシップ」による危機管理と臨機応変な決断と、人々の「パートナーシップ」
という言葉でまとめていた。
今の日本には草の根のパートナーシップはかなりできたかもしれないけど、
リーダーシップのほうが、ちょっと心もとない。
桂太郎が師団長という身分で、軍事以外のことで軍隊を動かすのは軍規違反。
これって、二二六事件と同じといえば同じであって、けっこうコワイこと。
それでも現在自衛隊による被災地支援につながる大きな決断をしたこの師団長が
後に総理大臣になっていることを見れば、
決断力だけでなく、この先見の明、国民全体を見る目はすごい。
エリートっていうのは、こういう血の通った哲学をもって叡知を駆使しなくちゃね。
いろいろと勉強になることが多い番組でした。

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