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「脚本家になる方法」


脚本家になる方法
日芸、いわゆる日本大学芸術学部の「シナリオ論」という講義で、
この本が教科書として使われています。
出ている学生の話では、とてもおもしろい講義だそうです。
この本の前半は、
シナリオとは何か、
どうやってシナリオを書くか、などの技術論ですが、
後半は
今脚本家として活躍している人が、
どうやって「脚本家になったか」が具体的に書いてあります。
へえ、あの作家さん、こんな形でなったんだ、みたいな。
また、
著者の福田卓郎氏自身がどうして、あるいはどうやって、
脚本家になったかも、もちろん書いてあります。
その中で笑ってしまったのが、
小学生のときにマンガ家になりたくて……というくだり。
まず「ケント紙とかGペンなど」を揃え、
そして秋田書店から出ていた
「石ノ森章太郎のマンガ家入門」という本を買った。
しかし
「デッサンのセンスがない」ことを痛感する。
これ、そのまんま、私のヒストリー(笑)。
私は少女マンガを描くつもりだったんだけど、
「少女マンガ入門」みたいのはまだなくて、
マンガに関する書物自体が少なく、
自分と全然違う作風だとわかっていても、
本屋で出会ったマンガ関係の入門書は全部買いました。
「全部」といっても、2,3冊だったけど。
でも
必死だったんだな、子ども心に。
読んでみてガクゼン。
えんぴつや青のボールペンで描いたものはダメで、
必ず黒のペンで描くべし、と。
かなり落ち込んだ。
だって、小学生だから、それまでに描いたものは全部鉛筆。
ちょっと気取って買ったものは、
「かぶらペン」と「パイロットインクのブルーブラック」だ。
全部、買いなおせってか???
はいはい、烏口までそろえましたよ。でも……
図画工作は、「2」ですからねー。
「マンガ入門」をお手本に、
自分の手やら、鹿が跳びはねるところとか、
描くには描きましたけど、すぐに限界を知ることに。
マンガだけは人よりちょっとうまかったんだけど、
三次元のものはまったく描けませんでした。
「マンガ家入門」を買って1年も経たないうちに、
私はマンガ家になるのをあきらめてた。
ほんっと、意志の弱いヤツでした。
努力も足りない人間でした。
…なーんて、
昔の思い出にひたりつつ、
脚本家のギャラやトラブルについて書いてある章を
むさぼるように読んで現実に戻る
私でありました。
「脚本家を夢見るのではなく、
職業としての脚本家をめざす人のための入門書」

なるほど、言いえて妙。


石ノ森章太郎のマンガ家入門

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