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「桜姫〜燃焦旋律隊殺於焼跡」@吉祥寺シアター

長塚圭史さんの作・演出「桜姫〜燃焦旋律隊殺於焼跡(もえてこがれてばんどごろし)」を観てきました。
8月に長塚さんのインタビューをさせていただいたこともあり、期待度120%!
その期待に反せず、充実の2時間半でした。
まずは舞台美術が素晴らしい。原作となる鶴屋南北の歌舞伎「桜姫東文章」の文を一面に書き散らした床、「焼け跡」感を醸し出す爆撃されたビルの壁、焼け枯れた桜の木……。置かれた1本のガス燈と自転車は、幕開けとともに片付けられ、板場は次々と異なるシーンを紡ぎ出す。
最後に出現する大きな布に描かれた「白菊」まで、シンプルな中に込められた一つ一つが「焼け跡」の時代と「桜姫」の物語とを自在に行き来する空間を作り出していました。所々に「穴」が出現。そこへフッと飛び込んだり落ちて行ったりするなど、スリリングさも含め巧みに使われています。バックステージツアーのある日はこの舞台の上に立ち、長塚さんや舞台監督の解説つきで奈落まで見学できるというオマケつきで、とっても楽しかったです。
また「旋律隊」とあるように、ナゾの楽隊が現れて桜姫(この物語では「吉田」という名が付けられてる娘)を焚きつけていきます。残酷な中にもおとぎ話的なフシギ空間を作り出していました。この旋律隊の額隊長に扮した女優・ちすんがものすごくカッコいい! 脚、ほそ!なが!パリコレか?っていうスタイリッシュな女性で、目が釘付け。私が座った客席が、舞台と同じ高さのL席(R席もあり)だったので役者が近く、なおさらノックアウトされてしまいました。
実はこのお話、10年前にコクーン歌舞伎の「桜姫」現代バージョンとして書かれたもの。その時はブラジル版が採用されたので日の目を見なかったわけですが、これを中村勘三郎、大竹しのぶ、古田新太でやったらどうなっていたか? 妄想に妄想が膨らむ一夜でもありました。

長塚さんのインタビュー記事はこちらです。

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