長大かつ濃密な舞台「コースト・オブ・ユートピア」。
すばらしい演劇空間を体験した後で、
もういちど奥深いセリフたちを反芻したいと思った人は
きっと私だけではないだろう。
この戯曲全編が、来年2010年1月下旬ごろ、
ハヤカワ演劇文庫に収録・発行されるはこびとなった。
それに先立ち第二部「難破」が
現在発売中の早川書房月刊「悲劇・喜劇」1月号に掲載されている。
悲劇喜劇 2010年 01月号 [雑誌]
今号はトム・ストッパード特集が非常に充実。
ストッパード、河合祥一郎、野田秀樹の対談から始まり、
「コースト・オブ・ユートピア」を翻訳した広田敦郎、
ゲルツェンを演じた池内博之、
ロンドン・バージョンも見た秋島百合子が
それぞれの視点からこの舞台を「体験」した興奮を綴る。
ドストエフスキー作家でロシア通の亀山郁夫も寄稿、
ほかに
「ローゼンクラツとギルデンスターンは死んだ」や
「恋に落ちたシェイクスピア」を書いたストッパードの、
シェイクスピア作品への取り組み方を
松岡和子や喜志哲雄が書いている。
ほかに
市川染五郎のインタビューや
演劇時評も「奇跡の人」や「蛮幽鬼」「真田風雲録」その他読みどころ満載なので、
かなり楽しめる1冊となっている。
おすすめ。
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