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「蟹工船」

長いこと世間の隅においやられ
話題にすればややもすると「時代錯誤」的にとられていた
小林多喜二のプロレタリア文学の金字塔「蟹工船」。

蟹工船/一九二八・三・一五改版
近年、かつての労働者たちの劣悪な環境と這い上がれない絶対的な貧困が、
今の格差社会と同じ構図である、という指摘がなされるようになって、
この「蟹工船」が再び脚光を浴びることとなった。
小説も売れているとのことだが、映画化もされて相乗効果。
今回は、WOWOWにて視聴。

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「俺たちの最大の欠点は、虐げられることに慣れていることだ」
「誰かのせいにするな」
「なりたいものを想像しろ」
「考えろ」「想像するんだ」
一つひとつのセリフが、心に響く。
特に
「リーダーなんて作ったのが間違いだった」というところが
私は好き。
労働者の団結=ソ連=共産主義=社会を脅かす存在=排除
という当時のヒステリックな図式が、
今の若者たちにどのくらい理解されるかわからないけれど、
労働者が権利を主張するということが社会悪だった社会を経て
私たちは週休とか年休とかを当たり前に享受していることを
忘れてはいけない、と思った。
雇用者と被雇用者が対等に契約を結ぶということが、
どんなに大切なことなのか。
その契約を、国が担保していることがいかに大切なことなのか。
いろいろと思い至ることが多かった。
松田龍平、カッコいい。
西島秀俊、悪役。こういう役もやるんだ。
ちょうどカニをたらふく食べてきた後でもあったので、
北の海に思いをはせました。

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