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「アイズ」

幼いころ目に傷を受け、盲目となった若い女性シドニーは、
ヴァイオリニストとして自立していたが、
姉の強い希望によって角膜を移植する。
はじめ、その違和感は「目が見えるようになった」からの
一時的な戸惑いかと思っていたが、
そうではない。
どうやら自分は
「人が見えないもの」まで見えるようになってしまった、
とシドニーは気づき始める。
深夜、必ず同じ時刻に見るあの光景は何か。
エレベーターホールで話しかける、あの男の子は誰か。
シドニーは、
自分の移植角膜のドナーに関係があるのではないかと思い、
ドナーをつきとめようと決意する。
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臓器に「心」はないのか。
臓器に「記憶」はないのか。
このテーマで描かれる作品は少なくない。
「アイズ」は、
ドナーに特別な能力があったとき、
その「能力」は臓器とともに「移植」されるのか?
を追求している。
共同監督のダヴィド・モロー&サヴィエ・バリュは「THEMゼム」
脚本のセバスチャン・グティエレスは「人喰い人魚伝説」と
ホラー分野の方々だけに、
ウヒャーっていう映像だったらどうしよう??と思ったんですが、
おどろおどろしいわりにはオーソドックスな作りで、
話も常識的な線に落ち着きました。
もっとも印象的だったのは、
「危険が迫っている」と群集を動かすための口実が「テロ」だったこと。
「テロだ」といえば、みんな素直に逃げるのね。
あと思ったことは、
本当に臓器移植をした人は、こういう映画をどんな気持ちで見るんだろうっていうこと。
かなり大掛かりな移植(多臓器移植とか心臓移植とか)であっても、
最近はあまりニュースにならないし、
私たちが知るのは、移植を「します」「しました」までで、
その後の彼ら、彼女らの生活は知らないことが多い。
移植をしてよかったこと、困ったこと、驚いたこと、いろいろあるだろうな。
そういうのが知られないまま、
こういう映画ができちゃうっていうのは、
うーん、どうなんでしょうか。
これから移植したいと思っている人やその家族も、
見たら戸惑う話かも。
もっとエグい思いっきりB級なはじけようだったら、
かえって何でもありと割り切れたかもしれませんが、
あまりにジョーシキ的な描写が多かったもんで、
逆にいろいろ考えてしまいました。
「アイズ」は、11月1日から、
東急系で全国ロードショー中。
シドニー役のジェシカ・アルパは、「ファンタスティック・フォー」などに出演しています。

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