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「愛と喝采の日々」

愛と喝采の日々」は、ミハイル・バリシニコフ出演、
ABT(アメリカンバレエシアター)全面協力のバレエ映画です(1977)。
最近、バレエ団を舞台にした映画が盛んですが、ドキュメンタリーが多く、
ちゃんとしたハリウッド役者がストーリーを演じ、
かつスターダンサーが出演しているバレエ団ものは、これくらいです。
アカデミー賞も取っています。
かつて花形プリマだった二人の女性。
一人は年齢と闘いながら、いまだ舞台の上。
もう一人は結婚を機に早く引退し、田舎のバレエ教師として娘に夢を託している。
二人の葛藤と友情がテーマです。
バリシニコフは、たいした役ではないけど、セリフあり恋愛あり、何よりたくさん踊ります。
若々しく、ちょっと軽めのバリシニコフです。
私はバレエにハマり出した頃、この映画を見ました。
ガラス越しに練習している男女の動きから、
「あ!ドン・キホーテのアダージョ!」「眠りの森の美女のソロだ!」と、
音楽なしでもわかる自分にびっくりした瞬間を今でも思い出します。
音楽が勝手に鳴り出したんです。
「カタチ」が「音」を生み出すなんて・・・。
今までに感じたことのない世界に浸れて、シアワセでした。
また、その頃私は「専業主婦」だったので、
どちらかというと、家庭・家族のためにプリマをあきらめたほう(シャーリーマクレーン)に
感情移入していた。
自分の築いた幸せな家庭に誇りと自負を感じる一方で常にくすぶる、
焦りとか、羨望とか、「私だってずっと続けていれば」みたいな、誰にも言えない気持。
でも、今はちょっと違う。
自分の体力の衰えを感じながらも、スターの座を追われまいと突っぱるベテランプリマに、
心寄せてしまいます。
アン・バンクロフトの、存在感たっぷりの演技は、心に残ります。
バレエを観るようになってから、かなり年数が経ち、
「長いこと踊っているダンサー」について、いろいろ考えることが多いです。
踊れば踊るほど、いや増すバレエへの愛情。
人生を積み重ねたからこそわかってきた心のヒダを、表現したいという欲求。
けれど、自分の肉体は、明らかに下降線をたどっている。
そして、若い力が台頭してくる・・・。
単に「スターの座」をめぐる争いではなく、
人生を捧げたバレエへの情熱の問題なのだ、と、
今は少し考えが変わりました。
いい映画は、いろいろな味わい方がありますね。

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