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「パリの灯は遠く」


パリの灯は遠く
第二次大戦中、ドイツに占領されたパリで、
財産を処分し逃亡しようとする金持ちユダヤ人が、骨董美術商ロベール・クラインを訪ねます。
アラン・ドロン扮するロベールは、彼の足元を見て、
二束三文で高価な品々を買い取り、涼しい顔。ユダヤ人はうつむくだけです。
数日後、ロベールの家に、「ユダヤ人新聞」が届きます。
「俺はユダヤ人じゃない」と警察にくってかかると、
逆にロベールは自分が絶対ユダヤ人じゃないことを証明しなくてはならないハメに陥ります。
2代さかのぼってもユダヤ系の人がいないと証明できなければ、収容所送り。
さあ、どうなる?(原題「Mr.KLEIN」1977年仏/伊)
その昔、映画街にふらっと行った時、
「パリ」と「アラン・ドロン」だけで入った映画。
そんなふうにして、どんな映画か知らないのに見たのは初めてでしたが、
ものすごく印象深い作品です。
主人公のまわりに起こるフシギな出来事の連続。
ナゾの人物、ナゾの館。
そういう幻想的な部分と、
「ユダヤ人にされてしまう!」という焦りが交錯します。
世の中で、誰かが虐げられているとわかっていても、
自分には直接ふりかかってこない災難だと
見て見ぬふりをしてしまいがち。
他人のために声を上げるってとても難しい。
「差別されるには、差別されるだけの理由がある」と思う人もいる。
差別「される」方と「する方」。
マイノリティーの側に立った時、
初めて知る戦慄。そして絶望。
「情けは人のためならず」の裏バージョンのような、
ラストシーンがゾクッときます。

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