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朝日新聞の死

だいぶ前のことだった。
社会党が政党として迷走し始めたとき、
「死に体」という言葉を使ったのは。
その後、この党はいよいよ機能不全に陥り、
そのときも「脳死」という言葉が比喩として浮かんだ。
政治家は常に結党と分裂を繰り返し、今に至る。
それはそれでよしとしよう。
新しい酒が入らなくなった古い皮袋に固執するよりは、
新しい理念を模索して新しい道を探ってほしいものである。
少なくとも、
どちらにするかはきちんと決めなければ、
有権者を納得させることは難しい。
今日、7月1日。
朝日新聞の1面トップの記事は、「カオスの深淵~物欲を税で抑える幸せの国」。
通常、1面のトップ記事とは、
その日読者が火急に知るべき事象を扱うのが常である。
ところが本日、トップ記事はスクープでもなく、昨日の事件の報道でもなく、
今日起こる重大事への示唆でもなく、「読み物」であった。
これから税金について、考えていきましょう、という、連載ものの1回目。
通常であれば左肩などにおさまる
「緊急性はないけれど、じっくり読んで考えてもらう」記事である。
それが、1面半分と、2面全部(下3分の1は広告)を使って、読み物。
2面全部が読み物って、いったい……。
トップに何を持ってくるかはその新聞にとって生命線である。
なぜなら、トップは新聞の顔だから。
たしかに、平穏無事な日もあるかもしれない。
しかし、今日、7月1日は「可及的速やかに読者に伝えるべきことのない」日か?
今日は、56日間1基の原子力発電所も稼動していなかった日本で、
「再稼動」のスイッチが押される日である。
そのために首相が記者会見をし、
それに反対する数万人が、首相官邸に押し寄せてデモを繰り広げ、
世界中が「日本はどうするのか」を自分のこととして見守っている、
そんな大切な日である。
この先、原子力発電を続けるにしろ、続けないにしろ、
それはこの国のエネルギー政策の大きな分岐点となる、大事な日の1面トップが
「ブータン」という国の、自動車税が50%から90%になるという話なのである。
それが、
日本の税制を考える上での一つのトピックであるとしても、
今それを日本国民が朝起きて1番最初に目にするべき記事だという認識なのか。
「本日午後9時、大飯原発再起動へ」とか、
私だってタイトル浮かんじゃうけどね。
別に、これがトップじゃなくてもいいの。そこまで言わない。
社説などでしっかりと論評しているのか?
他のの面で、それこそ「可及的速やか」ではないにしろ、
今日の再稼動に至るこれまでの道のりとか、首相や地元自治体の言とか、
まとめて記事にしてあるのか。
でも、1面にも2面にも、3面4面7面8面、(5面6面は全面広告)
どこにもそのこと書いてない。
39面は「富士山噴火想定します」の大きな記事。
これも大事な記事だけど、どこにも書いてないってどういうことなの?
本日の社説は「EU首脳会議」と「福島の漁再開」であり、
天声人語は1974年の「モナリザの微笑み」来日での大騒動を導入に、
なんと朝日新聞が主催の1社である
「マウリッツハイス美術展」(6/30開幕)についてであった。
私は、生まれたときから朝日新聞である。
3.11以降の報道のあり方にはいろいろ文句はあったが、
それでも「大新聞はどう報道するか」を検証することは重要、と考え、
この新聞を取り続けてきた。
しかし、「大新聞は報道しない」をここまで突きつけられるとは、思いもしなかった。
デモがどうの、参加人数がどうの、という話とは次元が違う。
何十年かして、「きょうは何の日」という番組があったとして、
7月1日が大切な日になるかもしれないというのに、
朝日新聞はその日、1面はブータンの自動車税の話でお茶を濁し、
大飯原発については38面の5段目なかほどに
「大飯『稼動阻止』100人が道路封鎖 きょう再稼動を前に」という
たった23行の記事でただ「6/30に、反対する市民がいた」という事実だけを書いた。
「きょう再稼動を前に」の、
ゴシック体ではあるが本文と同じ大きさの活字8文字の小見出しだけが、
7/1に大飯原子力発電所3号機の再稼動を読者に知らせているのみ。
それが、朝日新聞の姿勢である。

私の中で、朝日新聞が死んだ。

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