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驚異のNoism体験「中国人の不思議な役人」@神奈川芸術劇場

速報!
今夜もあります、神奈川芸術劇場(KAAT)でのNoism公演
絶対見逃すな!
実力世界標準でありながら新潟を拠点とするこのカンパニーが
関東圏で公演を打つ貴重な機会です。
ダンス、バレエ、舞台が好きなら絶対見逃すな!
振付家で舞踊家・演出家の芸術監督の金森穣は、
ベジャールにもキリアンにも師事した男。
カラダもアタマも、切れまくってます。
「踊る哲学者」ですから。
ふつー、ダンサーっていうのは、アタマの中のものをコトバにできないから踊るんだけど、
彼は自分の身体でも他人の身体でも、そして言葉でも金森ワールドを体現できる。
「中国の不思議な役人」は、
バレエではベジャールのものが圧倒的に有名ですし、
私もこれにアタマぶんなぐられた経験がありますが、
ベジャール版をリスペクトしながらも
ベジャール版とはまったく異なる世界を築いています。
日本人として、誇らしい!の一言。
なぜなら、
それは「日本人の感性」で「バルトーク」をひもといたら、
なるほど、その音はそういう「コトバ」を内包してるよね、と
素直に理解できる物語になっているからです。
不気味なものへの恐怖、
瞬時に変容するものへの驚き、
こときれても、こときれても復活するものへのおののき、
自分をむしばんでいく自己嫌悪、
さいなまれても、利用されても、あざけられても、最後に残る家族愛、
そして、
「群衆」という、目に見えない暴力。。。。。。。
Noism立ち上げ以前から金森氏の写真を撮り続けて、
Noismの写真も当初から撮影している篠山紀信氏が奇しくもおっしゃっているように、
これは写真にならない、
ましてや映像などでは伝わらない!

ナマでなければ、
一期一会の舞台と空間同居しなければ
その圧倒的な魅力を享受できない!

特別に同じステージ上に立っての撮影を許されている篠山紀信でさえ
「お客さんが入ったときとそうでないときでは違う。
 本番じゃなきゃ、本当の(最高の)姿は写せない」と歯ぎしりするくらい。
KAATでは、昨日と今日の2日間のみです。
私もこの演目、テレビじゃ全然良さを感じ取れなかった。
最初の、あの、「物体がむくむくとうごめく瞬間」から、
魔物の世界にとりこまれ、
「掃き溜めのミューズが光の中に消えていく瞬間」、
これが大人のおとぎ話であったことに気づくでしょう。
井関佐和子の身体能力、表現能力は驚異です。
それを引き出す金森穣の振付!
同時上演の「Solo for 2」でも、
終盤の彼女のソロは圧倒的な哀愁で迫ってきます。
関係者の言葉を借りれば
「この数年間の彼女は絶対見逃してはならない」
そう、成熟したココロを表現できるカラダを持つ女、です。
ただ、
もちろん彼女はダントツにすごいんだけど、
ほかのNoismメンバーたちが粒ぞろい。
それは「Solo for 2」で一人ひとりの技術力もわかるけれど、
金森穣の「アタマ」と常に対峙している彼らは、
本当に素晴らしい身体能力、気品と孤高をたたえた内面からの表現力を、
若いのに身にるけているんですよ。
必見!

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