かぶきロード
「一日で読める歌舞伎の400年」
「400年の旅しませんか」
というサブタイトルがついているこの本は、
歌舞伎の研究家・河竹登志夫が書いたやさしい歌舞伎通史。
河竹って、どこかで聞いたような…。
そう、
あの「三人吉三」をはじめ、たくさんの名作を書いた河竹黙阿弥の
親戚(お父様が黙阿弥の長女の嗣養子)でいらっしゃいます。
雑誌への連載ものをまとめたということもあり、
出雲阿国から歴史を追いつつ、江戸、明治、大正、昭和、戦後、と
時代とテーマをうまくまとめて、
とても読みやすい読み物となっています。
途中、ギリシア悲劇やシェイクスピア、イプセンなどと歌舞伎を比較したり、
政治によっていろいろな制約が課せられた歌舞伎の悲劇と復活のど根性、
人形浄瑠璃と歌舞伎の関係、
長唄と歌舞伎の関係、
歌舞伎の舞台装置の持つ素晴らしいオリジナリティなど、
思わずうなってしまうことがたくさんあります。
やさしくは書いてありますが、
河竹先生の生涯の歌舞伎研究が詰まっている一冊、と言えましょう。
時を同じくして
「歌舞伎の世界」という本も読んでいます。
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こちらもなかなか詳しいし、書いてあることも面白いのだけれど、
「読みやすさ」と「親しみやすさ」では河竹先生に軍配。
いずれも、何らか歌舞伎を見たことがある人なら、
そこをきっかけにしてとても楽しめる本です。
一度見ている舞台は、文章を読むだけで場面が浮かび上がってくるから楽しい。
そして、
見えていない舞台は、想像するもちょっと頼りなく、
だからこそ、「見たい」と思う。
そんな本です。
歌舞伎もたくさん見たいけど、
人形浄瑠璃っていうやつに憧れる。
すごい文化を日本は持ってるなー。
このことについては、明日またちょっと書き足したいと思います。
- 舞台
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