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「御名残三月大歌舞伎」第一部@歌舞伎座

昨日で、歌舞伎座の最後の公演日までちょうど50日となった。
気がつけば、もう二カ月ないんだな……。
本当に「御名残」惜しく感じる数字である。
今月第一部は、
「加茂堤」「楼門五三桐」「女暫」。
「加茂堤」は、菅原伝授手習鑑の序盤ということだが、
ありていにいえば
ご主人同士が好き合っているのになかなか会う機会がないので、
お付の二人(桜丸とその女房)が仲をとりもち牛車のなかで逢引させる、
中から「うっふんピンクハート」な声が聞こえて
外の夫婦も「もうたまらん手書きハート」…って、
第一部、午前11時開演しょっぱなから何で下ネタ満載演目なんだかよくわからんが、
その二人の「現場」をつかんで政治的に利用しようとする悪者と
何とかその場をつくろおうとする家来とのやりとりとか、
まあ、そんな話でした。
「楼門五三桐」
いわゆる石川五右衛門の「絶景かな、絶景かな」です。
吉右衛門の五右衛門は、安定感抜群。
途中、捕り物に入る右忠太、左忠太を歌六、歌昇の兄弟が務めます。
この二人が、風神・雷神というか、あ・うんの像というか、
ポーズをとってストップモーションの図が
楼門の左右に鎮座する運慶や快慶の像のようでした。
五右衛門も含め、
歌舞伎っていうのは、映像であって写真であってライブであるという、
エンタメさまざまな要素を持っていることを感じさせてくれます。
今まで楼門の上だけでお芝居していたのが、
次の段にうつると楼門がぐんぐんせり上がってきて、
本当の二階になり、地上には真柴久吉(菊五郎)が。
満開の桜の中、上と下でのお芝居が始まります。
ライブ感を楽しむのは、
楼門の上にいる五右衛門が、下にいるに小柄を投げるところ。
下の久吉が、柄杓で見事に受け止めます。
たった15分で、お隣のお客さんも「え、これで終わり?」って言ってましたが、
まあ、15分は15分で、楽しめる演目でした。
ただ、この15分の前後にそれぞれ30分の休憩があり、
前の30分でお弁当食べてしまった人は、次の30分かなり手持ち無沙汰。
逆に後の30分でお食事処に行く人は、前の30分で甘いものなどに手を出して、
本当の昼食にありつくころにはお腹一杯だったりして。
これから行く方は、そのあたり計画的にどうぞ。
最後の演目「女暫」は、
あの「暫」を巴御前つまり女形がやる、というもので、
今回は玉三郎が主役です。
「暫(しばらく)」の主役は、
「しばらく、しば~ら~く~」と朗々と述べ立てたり、
すさまじい隈取でにらみをきかせたりして、
後ずさりする相手方のビビリようを「さもありなん」と観客を納得させるためには、
立役(男性)でもかなりの力量が必要。
玉三郎の口上は、ちょっと迫力にかけたかな~。
(「女暫」では、さすがに「隈取」はありません。念のため)
私は花道のすぐそばの席だったので、
もう体中を使って玉三郎が声を出しているのがよくわかったし、
本当にすごいとは思うのだけど、いっぱいいっぱいでした。
そこを逆手に「おお恥ずかし」とか、いろいろ仕掛けはあったけど。
ただ、さすが舞踊の名手、
形は見事に決まった。
玉三郎は顔がとっても小さくて、
昭和の家にはどこにもあった「藤娘」とか「娘道成寺」の日本人形を連想させる。
菊五郎の女鯰もとってもきれいだったけど、
どこか男顔。
玉三郎は、声を出さなければ、二十歳の娘に見えました。
どういうお化粧してるんだろう????
オペラグラスでみても、年齢を感じさせたのは手の甲くらい。
若いしきれいだし、はつらつとしていました。
面白かったのは、幕が下りて玉三郎が花道に残った後。
「あー、大変だった」みたいな楽屋落ちネタで、
舞台番に扮した吉衛門と二人のかけあいが始まる。
女形でも「暫」のひっこみといえば六方をふまなきゃ、と
ここで六方の稽古が始まる寸法。
「えー、できない、ムリ!」とごねる玉三郎が
最後は見よう見真似で……という運びだ。
「女形俳優」だったのが、型を決めるうちにきりっとした巴御前の顔になる、
その瞬間が素晴らしかった。
「暫」そのものが祝祭的というか、「お決まり」事の連続なので、
この「女暫」も筋がどうこうではない。
今月第一部は、どれもこれも華やかで肩の凝らない作品が並んだことになる。
ということで、内容的に多少軽め、
時間的にも11時~1時50分(うち休憩1時間)と短く、
「たっぷり堪能しました~」とはいかなかった。
お祭りモードっていうことでしょうか。
第二部、第三部は来週行きます。

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