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「ジキルとハイド」2回目

4月29日が千秋楽の鹿賀丈史ファイナル公演・ミュージカル「ジキルとハイド」。
どうしてもあの歌声たちに会いたくて、2度目、行ってまいりました!
二度目ということもあり、少し客観的に観ることができました。
二幕の楽曲が素晴らしい。
モチーフとしては一幕で既に出ているメロディも多いけれど、
たたみかけるような編曲に緊張感がある。
役者もそのクウォリティに応えてがんばっている。
アンサンブルの歌う『事件、事件』は耳について離れません。
マルシアの『新しい生活』『あたしは誰』もいいけれど、
魅力炸裂は『罪な遊戯』でしょうか。
昨夜は一幕の『連れてきて』より、『罪な遊戯』に軍配。
マルシアと鹿賀の、地響きが起こるような官能のデュエットに拍手です。
鹿賀は、一幕からアリアの歌い上げが素晴らしかった。
そして、完全無欠の悪に見えたハイドが一度だけみせる弱さ
「ジキルにあってオレにないものは?」のくだりが、
この物語をより心に残るものにしていました。
鈴木蘭々も、自信がついてきたのか、声にはりが出てきて堂々としていました。
また、人物造形にも深みがでていた。
何が起きたかわからず、父親とジョンに交互にすがるような視線を送るラストシーンが印象的でした。
でも、昨夜私の心をもっとも捉えたのは、ジキル氏の親友・ジョン役の戸井勝海。
この前より、セリフに感情がこもっていて、語り口に思わず引き込まれた。
歌にも表情があり、ジョンの誠実さが伝わってきました。
考えてみれば、この舞台はジョンの述懐で始まり、
ジョンの「ある決断」によって幕が引かれる。
単なる狂言回しというよりは、非常に重要な役回りを担っていると気づいた。
ちょっとハムレットっぽいね。
ハムレットは狂気と正気の間を行き来する。ジキルとハイドほどではないが。
そして、ハムレットが唯一心を許しているのが、ホレイショー。
彼はハムレットがいかなる乱行を起してもその人となりを信じ、助ける誠実な男。
そう、ジョンのように・・・・・・。
今回は2階のずーっと上の方(I列39番)でしたが、
舞台の全景がよく見えて、これはこれで堪能できるから、舞台はフシギ。
全体が暗い舞台で、スポットライトだけが人物を照らす中、
「あなたはあそこへ歩いていくんですよ!」とばかりに、次の立ち位置を丸く指定する光。
照明の重要性を再認識いたしました!
もう千秋楽が近いので、ファンがたくさん来ているのか、
最後はスタンディングで拍手する人が多かった。
カーテンコールをする役者さんたちも、少し昂揚している感じ。
あと少しです。
「行こうかな」と思った人は、迷わずGO!

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