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扉座公演「サツキマスの物語」@サザンシアター

「百鬼丸」を観てがぜんファンになってしまった
実力&熱血演劇集団「扉座」。
本日初日の「サツキマスの物語」観て来ました。
「サツキマス」とは、「五月鱒」で、
五月になると生まれた川に帰ってくるマスの仲間だけど、
実は川魚のアマゴと同じ魚。
川で一生を送るのがアマゴで、
突然変異のように海に出てしまって
大きくなって帰ってくるのがサツキマスなのだそう。
この
「多くは故郷で一生を終えるが、
 なかには外の世界へ出て、いつか帰ってくるのもいる」
というところを人間に置き換えて、
アマゴやサツキマスのとれる川を有する町の
過疎化と再生にかける地元の人たちの思いを
温かい物語にまとめたのが
「サツキマスの物語」だ。
清流を感じさせるピアノの音楽が秀逸。
長い竿を客席に向け、釣り糸を垂れることで、空間が広がる。
上を見上げることで、観客の背後に、
5階建てのビルくらいの高さという「飛び込み」で有名な橋も出現する。
いつもながら、
選び抜かれた必要不可欠な大道具以外を排し、
想像力が視覚を刺激するよう計算されている。
私が扉座が好きなのは、
この集団が演劇の力、演劇の可能性を信じているからだと思う。
この「サツキマス」の物語を主宰者の横内謙介に書かせたのは、
10年前に客演した近藤正臣。
彼が長良川に生息するサツキマスの話をしたのがきっかけだ。
その近藤正臣も出演、
釣り人の醸す穏やかで地に足のついた男を好演している。
舞台上の彼を初めて観たが、
張り上げもしないのに、あの魅力的な声がよく通ってさすが。
ものすごい存在感だった。
ほかに、町おこしに一役買いつつ、
前科のあることで自分の存在が運動のネックになっていることを気に病む
シゲさんを演じるのが、菊池均也。
彼は以前扉座の団員だったそう。
川谷拓三っぽい「元ヤクザ」を熱演していたが、
カーテンコールで出てきたときは、学校の先生みたいに清清しい顔をしていて、
まったく印象が違った!
あれが全部「演技」だったなんて…驚愕。
あ・うんの呼吸であちこちに咲く笑いの数々に頬を緩ませながらも、
気づくと瞳はうるみっぱなしという、
心に温かい物語。
東京・新宿の紀伊国屋サザンシアターにて
12/6まで。
私は釣りはやらないけれど、
渓流に連れていってもらったような清涼感に浸って
帰ってまいりました。
当日券4500円。十分モトがとれる、秀作です。

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