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「玉三郎16Days in蘇州」と「牡丹亭」@シネマ歌舞伎

シネマ歌舞伎「牡丹亭」を観る。
「歌舞伎」といっても、今回は歌舞伎そのものではなく、
昆劇という、中国南部・蘇州をルーツに持つ中国の劇に挑戦する。
映画は二部構成になっており、(途中休憩はなし)
前半は、
昆劇の聖地・蘇州での舞台を控えての玉三郎を追った
16日間のドキュメンタリー。
とにかく、
玉三郎の並外れた努力の過程と
芸事に対する真摯な姿勢、器の大きさに
ほとほと感服する。
女形としての姿や踊りはともかくも、
全編蘇州なまりの古語でセリフと歌があり、
歌を歌いながら舞う部分も多いという昆劇で、
玉三郎が主演なのだから、
もうびっくりするしかない。
「歌舞伎と昆劇に共通性はない」と言い切る玉三郎。
歌舞伎役者で役に立っていると思えそうなところは(私見)、
女形という文化と
口うつしで覚える稽古のしかたくらいだろうか。
その「女形」さえ、
昆劇では絶えて久しく、現在は女優が演じているものを、
日本人が復活させようというのだから。
(ただし、北京では「牡丹亭」を演じたことがある。蘇州では初めて)
蘇州語なまりは蘇州生まれでなければ中国人でも難しい、というのに、
彼は完璧を目指す。
完璧を目指しつつ、限界があることを覚悟している。
努力はしたな、と認めてほしい、そのレベルまではいきたい、という玉三郎。
果たして、
蘇州の人々は感嘆する。
本編を観れば、
歌の部分はやはり弱い。
しかし、セリフの部分では見劣りがしない。
特に後半だ。
夢の中の男に恋こがれて弱りやせ細り、
死を待つばかりになってからの杜麗嬢を演ずる玉三郎は
役柄と一体になって鬼気迫る。
「美しい」とか「男が」とか、そういうレベルじゃない。
言語も国も越えて、魂として語りかけてくる玉三郎を
蘇州の観客は目の当たりにした。
すごい人である。
7月、彼の歌舞伎を観る予定だが、
今までとはまたちがった感慨があるのではないかと思う。
シネマ歌舞伎「牡丹亭」は、
東京・東銀座の東劇で現在上映中です。

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