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試写「カフェ・デ・ロス・マエストロス」

2006年。
タンゴの黄金時代を作った往年の名ミュージシャンたちが
タンゴのメッカ・アルゼンチンのブェノス・アイレスのコロン劇場で
一夜のコンサートを開く。
そのためのスタジオでの日々、録音風景など
メイキングも含めたドキュメンタリーが、
「カフェ・デ・ロス・マエストロス」だ。
とにかく、その「音色」に心震わさずにはいられない。
何なんだ? この力は?
時折はさみこまれる、彼らの若かりしころの姿。
写真に50年後の声がかぶる。
力強さ。潤い。若さ。
声だけ聞いていたら、若者の声である。
深く刻まれた皺や頬のたるみは、声や喉には無縁なのか。
70歳80歳の節くれだった指が、
バンドネオンのボタンを速く正確に刻む。
あるいは、ピアノの鍵盤の上を縦横無尽に走る。
音楽の前で、彼らはまさに「永遠の二十歳」である。
そして、ヴァイオリン。
べっ甲のぬめりと光沢が、空気を一枚の布にして響かせる。
押し寄せてはすべてを引きずるように持って行く、
音楽の波。
パーカッションが、バンドネオンが、ストリングスが
激しくリズムをたたみかける。
その1フレーズ1フレーズに、思わず拍手、そしてブラボー。
後半のコンサート場面では、
本当にスタンディングオベーションをしたくなった。
素晴らしい音楽の連続に、夢見心地の90分である。
90分では足りないくらい。
120分にして、最後のコンサートの場面、もっと長くしてほしかった。
一日中でも彼らの音楽に浸っていたい。
巷では「たちあがれ日本」党なるものができて、
老人すぎるんじゃない?という人が多いけど、
この映画を観たら、
人間、年齢じゃない!ってことがよくわかる。
(だからこの党がすごいっていうことではないけれど)
80だって90だって、美しく歌い、激しく演奏するのだ。
彼らの音楽に対する感性の見事さが、
まるで奇跡のように彼らに時空を超えさせる。
そのメロディを耳にしただけで、涙がこぼれる。
神が与えた天分を受け取り、磨き、開花させ、
そして長年熟成させた、マエストロたち渾身の集大成が、
この2006年の一夜であった。
この映画の公開を待たずに、出演した22名のマエストロのうち、
3名が亡くなった。
そして2010年2月までに、もう8人計11人が鬼籍に入ってしまった。
本当に貴重なタイミングだったということがわかる。
プロデュースしたグスタポ・サンタオラージャに感謝。
このメンバーで収録したCD、早速買いました。

【送料無料】Cafe De Los Maestros – Deluxe Version 輸入盤 【CD】
2006年ラテン・グラミー最優秀アルバム賞受賞。
でもできるなら、まずは映画を見てほしい。
東京・渋谷のbunkamuraル・シネマで、この夏陶酔の公開!
(6月くらい。確定したらまた告知します)

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