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「五番町夕霧楼」


五番町夕霧楼 1963年度製作版(DVD) ◆20%OFF!
先日、故・市川監督の「炎上」をご紹介しましたが、
同じく「金閣寺の放火事件」を扱っているもう一本の映画です。
「炎上」では、吾一が一度だけ訪れる遊郭の女性として、中村玉緒が出演していますが、
「五番町夕霧楼」では、この役を佐久間良子が演じています。
ここでは放火犯となる修業僧・正順と幼なじみという設定で、
「一度」といわず、何度も彼女を訪れる話になっています。
人間関係を結ぶのが苦手な正順(河原崎長一郎)に対し、
夕子(佐久間良子)は男と女の関係ではなく、姉のように優しく相対しています。
2人で枕を並べ、手をつなぎ、童謡を歌って故郷を思う場面が印象的です。
遊郭の薄暗く狭い一室だけが、
2人がつながれた辛い現実から自由になれる空間なのです。
この作品は「金閣寺」事件ではなく
貧しさゆえに遊郭に売られた女の純粋さと妖艶さとがテーマ。
金閣寺の炎上は、
運命に逆らえない者たちの底の底にある情念の火花のような象徴として描かれています。
放火の不条理より、世の中の不条理の方を何とかせい、と思いたくなるつくり。
とにかく佐久間良子がきれいです。
観終わった後も、京都の夕刻の灯りが心に残るような、そんな映画です。

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