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「日本以外全部沈没」


日本以外全部沈没(DVD) ◆20%OFF!
小松左京による小説「日本沈没」を原典に、
筒井康隆が書いた小説「日本以外全部沈没」。
その映画化作品である。
「日本沈没」では、国土を失った日本人を、海外の国がどう受け入れるかが一つのエピソードで、
そこらへんは時代背景を映し、リメイク版の映画「日本沈没」では、
以前の映画よりずっとシビアーな展開になっている。
この「日本以外全部沈没」は、地球上に陸地といえばほぼ日本だけになってしまうので、
すべての国から難民が押し寄せる、という設定。
アカデミー賞受賞俳優や有名監督は、
政治家は、
普通の人たちは、などなど、
微に入り細に入り、外国人たちの運命を語る。
食料を海外に頼っている日本の食卓はどうなるか?などにも言及している。
…などというと、かなりマジメな話に聞こえるが、
ある意味いい加減。
「何で日本以外なのか?」
「何で日本は沈まないのか?」
一応科学的(?)な説明もあるんだけど、
基本、ツツイさんですし、どう説明されても「そうですか」とナットクするしかない。
そしてツツイさんですから、かなりシニカル。
原作は読んでいないが、映画でも「外国人問題」は相当なブラックで、
笑っていいのか、顔をしかめるべきなのか、リアクションに戸惑った。
日本人のイヤな面がたーくさん出てきて、
だから苦しい。
日本人というか、優位に立った人間って、きっとこうなるだろうという真実が
加工されずに提供されている苦しさ。
自分の中にある「自分だけよければそれでいい」が
人をどれだけ傷つけるか。
困った人たちと分かち合うことの難しさを思い知らされる。
時々出てくる「平時の理想」みたいな意見に、心底ホッとしてしまうワタシ。
人間、理想だけでは生きていけないけれど、
ホンネ丸出しで自分を肯定するのも、相当苦しいものだと知る。
故・実相寺監督が監修というけれど、かなりの低予算で製作されたのか、
特撮は、思わず下を向いてしまうようなできばえ。
それでも「一体最後はどうなるんだ?」で引張られ、
ラストまで見ずにはいられない作品。
作りはB級ですが、
考えさせられること、この上ありません。

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