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「エースをねらえ!2」


エースをねらえ!2 DVD-BOX
すみません、
昨日最後に紹介した「新・エースをねらえ!」、あれはマチガイでした(恥)。
私が推薦したかったのは、原作の第二部を映像化した、
「エースをねらえ!2」です。ゴメンナサイ。
(昨日の記述も訂正いたしました。あしからず)
原作の第一部は、
岡ひろみがズブの素人から日本のトップテニスプレイヤーにのしあがるまでを、
その岡ひろみを見出したコーチ・宗方仁との異常なまでの子弟愛とともに描いたもの。
超高校級の先輩選手・竜崎麗華・藤堂貴之・尾崎勇・千葉鷹志との
恋のさやあてなどもあり、
ちょっと「花より男子」のF4をほうふつとさせるところあり。
この第一部は、宗方の死とそれを知らずにアメリカに遠征に行くひろみで終わる。
それを受けて作られたのが、第二部。
当時連載再開を非常に楽しみにしていたんだけど、
ページを開けたとたんに
「ん? 宗方? 死んだんじゃなかったの??」
やっぱり宗方が出てないと人気が出ないと思ったのかなー、と
ご都合主義に一気にトーンが下がってしまった。
それで、連載はほとんど読みませんでした。
しかし、十数年後に「エースをねらえ!2」を見て、
私は思いっきり感動した!
この続編は、喪失と再生の物語。
自分のすべてを支えていた宗方という存在を失った岡ひろみが、
自分の生きる意味、テニスをする意味、自分だけで生きていく意味を
一から問い直し、絶望と無力感の中から一歩を踏み出すまでを丁寧に描いています。
そこで魅力的なのが、
お蝶夫人をはじめとする先輩たち。
オトナの風格と温かい慈愛の目で、ひろみを見守り、支え、
「再生」のその時をじっと待ち続けます。
特に、藤堂。
第一部では宗方の影にかくれていいとこなし(そこまでいうか?)だった藤堂。
常に陽の当たる場所を栄光とともに歩いてきたこの優等生がすべてをかなぐり捨て、
バッティングピッチャー並の黒子になってでも
好きな女が立ち直るために身を尽くそうとする悲痛な愛の形が際立つ。
それでもひろみのうつろな瞳には、
彼の愛の深さがなかなか像を結ばない。そのリアリティー。
何度も出てくる電車の踏み切りとファミレスでの会話の場面が
妙に心にしみるアニメです。
心がズタズタに引き裂かれ、何もやる気が起きない人には
毒が強すぎるかもしれないけど
でも
「変わりたい」と思う人にならわかってもらえるんじゃないか。
つらいけど、いい話です。
もちろん、テニスの場面もありますよ。

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