ある夜、事件があった。
麻薬常習者が銃で撃たれ即死、
その場を通りかかったピザの配達人も同じ銃で撃たれ、意識不明の重態。
同日、
一人の女性が駅のホームから線路に落ちて死亡。
彼女は国会議員の助手であり、愛人でもあったことから、
国会議員はスキャンダルにまみれる。
この議員の旧友であり新聞記者でもある男は、
二つの事件に関連性があることを偶然知る。
そして、
「軍隊の民営化」という国家的大問題に関わる陰謀の渦中に身を投じ、
一方でスクープを獲得し、
一方で旧友の命を救おうと奔走する。
手に汗握る緊迫感。
最後の最後まで先が読めない展開。
スケールの大きさと脚本の緻密さが合わさって、
見るものを飽きさせない。
そして
どんでん返しにつぐどんでん返し。
しかし…。
最後のどんでん返しによって、すべてが矮小化されてしまった。
なんでそうなるの??
個人と国家、マスコミと政治、
巨大な力に一矢を報いんと精魂傾ける主人公に感情移入し、
「風穴を開けたか?」と達成感を味わったその直後に、
ものの見事にはしごをはずされる。
「無力」に泣くなら、まだ無念さの持っていきようもあるが、
このオチは、正直私は許せない。
あれも、これも見せかけの伏線だったってわけですか?
こんな個人的な話を見たくて来たんじゃございません。
だまされた私が悪うございました。
2003年にイギリスBBCで放映された連続テレビドラマのリメイク。
映画の舞台はアメリカで、内容もかなり変更されているといいます。
もとになったドラマを私は見ていないので
最初からこういう結末だったのかどうかわかりませんが、
社会派、正義派の映画を観ようとしている人は、
最後にものすごく落胆すると思います。
カタルシス・ゼロです。
単に殺人ミステリーとして見れば、
非常によくできていると思います。
「消されたヘッドライン」は5月22日封切りです。
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