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「トランスフォーマー」


トランスフォーマー スペシャル・コレクターズ・エディション(2枚組)(DVD) ◆20%OFF!
「子どもが好きなのは、戦隊ものと乗り物」だそうで、
この2つを合体させると番組もヒットするとか。
私の息子もロボットを変形させて夢中になっていたなー。
多くのアニメや戦隊ものは、まずストーリーがあって
出てくるキャラクターを商品化、ファンたちに売ろうとするわけですが、
この「トランスフォーマー」は、まずオモチャありき。
オモチャをキャラクターにしてストーリーができた。
一つのストーリーは新たなキャラクターを生み、
そのキャラクターによって、ちがったストーリーが作られる。
このようにして厚みを持った変形メカロボの一大クロニクルが、
とうとうハリウッドに上陸してしまったのが、
この「トランスフォーマー」。
CGをたくみに合成しての実写である。
この映像のシャープさ、リアルさには、ハリウッドの底力を見せ付けられる。
この映画、話の端々に「アメリカ」が顔をのぞかせる。
まずは「悪」と「正義」の対決構造。
紳士的かつ対話を重視する「正義」の一派「オートボット」と、
容赦ない暴力と悪魔的なずるがしこさを併せ持つ
「悪」の一派「ディセプティコン」である。
第二に、ロボットが変形する車は、すべてゼネラル社製。
主人公サムの忠実なボディガードとなるオートボットの1人(?)は、
シボレーに変形する。
でもサムが初めてメカロボットに遭遇した時は、
「すごい! あれは絶対日本製だよ、ウン」って叫ぶんだけどね。
その三。
ロボットと軍隊による戦闘シーンがハンパなくリアル。
アメリカ軍や退役軍人の全面的な協力をもって行われたという戦闘シーンは、
カタールの砂漠でサソリ型ロボットと戦う場面も、
都会のビルの谷間で戦端が開かれる時でも、
生身の人間がそこにいることを感じさせる描き方をしている。
映画を見ていると、
ああ、アメリカ人にとって、相手の見えないテロとの戦いは、
金属サソリや巨大ロボットを敵にまわしているのと何ら変わりない恐怖なんだな、と思う。
そして、
都会の平和な生活でさえ、
何の前触れもなく突然崩れ去るのが「戦争」なのだ、と。
彼らの脳裏に9.11はトラウマのように刻まれているのだな、とも。
体を張って「アメリカ」を守るチームワーク抜群の軍人さんたちを描く一方で、
軟弱男サムが主人公だったり、
ハッキングオタクがその「才能」を大いに発揮したり、
地球の一大事より庭を荒らされないことのほうが大切な夫婦が出てきたり、と
アメリカの「今」がシニカルに切り取られていて、
なかなか背景が重層的。
巨大変形ロボットとか、金属生命体とか、
絵空事のオンパレードながら、
「戦い」はホンモノだ。
そのリアルさが、私には好感が持てた。
昨日書いた「20世紀少年」にはなかった「3次元」的な脈動を
「トランスフォーマー」に感じた次第である。

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