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平成中村座十二月大歌舞伎(昼の部)


中村座は26日が千秋楽
ですが、ぜひぜひご覧あれ!
若い力の放つ今でなくては見えないものがたくさん観られます。

「車引き」「賀の祝い」
では、
そうそう、松王丸も梅王丸も桜丸も、三つ子の若者だった、ということを、
ひしひしと思い知らされます。
いっつも重鎮で演じられるので錯覚しちゃいますが、
兄弟げんかして桜の枝折って「オレじゃない、知らん」とかうそぶいて、って
そういう他愛のなさがとても自然です。
しかし、白眉は菊之助の桜丸!
舞台に出たとき、すでに自死を覚悟している者だけが放つ静謐さが見える。
人形のように美しい頬をつたう一粒の涙のぬくもり、
九寸五分のきっさきに思わず飛びつく妻・八重とみつめあい、
「どうしようもない別れ」を前にして、無言で交わす妻への思い…。
翻って「寺子屋」ではその菊之助が源蔵となる。
松王丸の勘三郎を相手に一歩も引かず挑みかかる、
その気迫。
松王丸が息子小太郎の死に直面しながら
「それにしても、桜丸が、桜丸が…」と泣き咽ぶ意味が身にしみるのは、
「通し狂言」ならではの物語の重みだと感じました。
源蔵・松王丸という
主・菅原道真に対し不忠者と烙印を押された2人の忠義者が
いずれも「不忠者ではない」証を立てんがため、
何の罪もない子どもを手にかけて殺す、その母も必要とあらば殺そうとする。
かたや、自らの子を身代わりとして差し出す。
子を殺された者と、その子を殺した者とが
ともに首無し遺骸を弔って
その原因ともなった主の妻子を讃えつつ幕が下りるという
なんとも心騒ぐ「寺子屋」という演目のもつ
登場人物の複雑な心情と物語りの深遠さは
手だれではなくフレッシュな人々が改めて読み解いてこそ
私に伝わってきたのではないかと思いました。
七之助も源蔵の妻・戸浪という重い役を好演。
歌舞伎座さよなら公演の勘三郎の戸浪をほうふつとさせました。

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