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「放蕩息子」で帰還した康村和恵

1年以上のブランク、それも
出産して間もないとは思えない体で、
康村和恵が帰ってきた!
「放蕩息子」ではなく、「孝行娘」の帰還である。
シャープななかにもたおやかさを秘めて、
康村のセイレーンは光り輝く。
ステージのセンターこそ、私の居場所。
自信に満ち溢れ、安定した舞台だった。
橋本直樹も、若さ溢れ、さわやかなパフォーマンス。
内面の表現では、まだ舌足らずなものが残るが、
それはこれからの人生が深めていってくれることだろう。
とにかく、「今」踊ったことが彼の財産。
若いときに踊る「放蕩息子」は、
若いときにしか、踊れないのだから。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
上は一見レビューのように見えますが、
この舞台を見た人にお話を聞いて、
私の「見たもの」をふくらませて書いたものです。
実は昨日、
私は開演に間に合わず、
素晴らしかっただろう舞台を見逃してしまいました。
ロビーのモニター越しに見られたのは、
バッタリ倒れた放蕩息子が父親に抱きかかえられるまでと、
カーテンコールのみ!(泣)
S席だったのにー。えーん、えーん。
あー、とっても悔しいです。
28日の昼の舞台をごらんになった方、
ぜひぜひ感想を書き込んでください。
よろしくお願いいたします
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さて、気を取り直して、後半。
「ピーターラビットと仲間たち」はちゃんと見られましたから。
今回は、遅沢佑介が光りました。
かえるのジェレミー・フィッシャーどんです。
滞空時間を楽しむような、たっぷりとしたジャンプ。
おとぎ話ですから、ダンサーとしての必死さが見えては魅力が半減しますものね。
手足の長さを生かします。
動きにもメリハリがあって、
喜怒哀楽が、よく伝わってきました。
前回、いたずらネズミがとってもよかったビヤンバ・バットボルトは、
今回、まちねずみのジョニーでまたまた好演。
かぶりものも何のそので、音楽先取りテンポのよいダンスを披露。
ジョニーは冒頭に出てくるので、
ここで技術的に高いパフォーマンスをみせると、
ただ「かわいい」だけの、子どもだましじゃないんだな、と
お客さんの目も変わってきます。
二人のぶたくんたち(合屋辰美・酒匂麗)も、よかった。
キャストはいろいろ変わっているものの、
全体的に初日より表現が大きくなって、アドリブ的な動きも多い。
子ねずみちゃんたちの演技も、より物語性が感じさせ、
舞台をともに盛り上げていました。
ただ、仕上がりの「質」を比べると、
初日のほうが一段上だったかな?
たとえば初日のあひるのジマイマ。
樋口ゆりはコミカルな演技もしながら、
卵をとられまいとする母親の必死さも示してハッとさせたし、
時には白鳥っぽく、時にはジゼルっぽく、
「私はプリマよ!」をうまく織り込んでうならせた。
いたずらねずみをビヤンバとともに踊った神戸里奈は、
お皿を割ったり、羽根布団の中身を撒き散らすヤンチャなところは愛らしく、
一人で踊るところは軽やかで、
本当におとぎ話のネズミちゃんのようだった。
ニコライ・ヴィユウジャーニンと東野泰子のブタの恋人たちには、
その甘~い語らいや意を決したプロポーズに、
気がつくとどっぷり引き込まれていた。
オーケストラも、初日のほうがよかったかな。
後半はかなり音に伸びが出て、気持ちよかったけれど、
前半は音に求心力がなく、印象が散漫でした。
舞台装置は、さすがロイヤル。
妥協がありません。
特に、かえるのジェレミーフィッシャーどんが出てくるところは、
一瞬にして水辺になりますからね。
あそこ、大好きです。
とにかく、
シアワセになれる演目。
私の「悔しさ」も、少し紛れてから帰途につくことができました。

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