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「愛と青春の旅立ち」(星組新人公演)@東京宝塚劇場

なかなかチケットが手に入らない新人公演、
知り合いが行けなくなったので、急遽代りに行くことになりました。
新人公演というものが、まず初体験だったのですが、
いつもは「ジャン!」と終わってしまう宝塚にカーテンコールがあったり、
主役のあいさつがあったり、
逆に羽根とか階段とかはなかったり、と、
本公演とは違う雰囲気がなにやら初々しかったです。
さて演目「愛と青春の旅立ち」は
あの映画で非常に有名な
アメリカの士官候補生を鍛えるブートキャンプの9週間を描いたもの。
場面が多いわりに
一列に候補生たちが整列するというシーンをうまく使って
それを感じさせない舞台転換がスムーズだった。
主役のザックを演じた芹香斗亜はスケールの大きさを感じさせる。
演技がうまく、
純粋さ、孤独さを秘めながらもうわべは反抗的だったりペシミストだったりする
難しい役柄を非常に素直に演じ、
後半ポーラに心情を吐露する場面では、思わず胸が熱くなった。
ポーラ役の音波みのりも役をつかんで好演、
工場で働く、という人物設定なので宝塚的な華やかな衣裳の場面が少ない中、
華やいだ主演級のオーラをしっかり出して見事。
目を引いたのは、
憎まれ鬼軍曹のフォーリーを演じた真風涼帆だ。
原作では黒人設定なので多少黒めのファンデーションを塗り、
ひげをつけ帽子を目深に被っているので
表情があまりわからないというハンディがありながら
よく通る声、
人物の心情をきちんとのせられるセリフ術、
なにより、シルエットが「男」それも「カッコイイ男」としてできあがっている。
これは
体つきや表情に「初々しさ」が目立つほかの男役とは
ひと味もふた味も上をいっているのが透けて見えた。
たとえば
傷つき足をひきずりながら引き上げる後ろ姿。
ぞくぞくするほど「男」だった。
ほかにシド役の天寿光希など、
演技面では全体的にレベルの高さを示した。
しかし、
歌はまだまだ。
コーラスはきれいだが声量がなかったし、
ソロは音程が不安定な人が多い。
その中にあっては主役の芹香が高音をボリュームたっぷりに歌い上げて上々。
それでも低音部は揺らぐことが多く、
テーマ曲など世界中で大ヒットしただけに、なかなかハードルは高い。
大劇場をうならせる歌い手が、いかにすごいのかを、改めて感じてしまった。
そういうスターになるための第一歩が
この新人公演で主役を勝ち取る、ソロを歌う、ということなんだな、
この経験が彼らを育てるんだな、と思った。
こういう新人公演を大劇場いっぱいのお客さんの前で
本公演と同じ規模、同じオケ、同じ衣裳、同じライトでできる幸せを
彼らは噛みしめているだろうか。
上がれる板があること、明日も舞台があるということ、
チケット売りの心配をしなくていいということ。
その恵まれた環境をしっかりとつかんで、
ぐんぐんと成長してほしい、と思った。

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