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野田秀樹、芸術監督就任記者会見

演劇サイト・ステージウェブで、
7月1日に行われた
野田秀樹の東京芸術劇場幻術監督就任記者会見兼制作発表
ほぼすべて見られます。
「ザ・ダイバー」の日本語バージョンに
かつての同棲相手・大竹しのぶが主演、
野田/大竹の共演が14年ぶり、ということもあって、
記者会見はかなり大掛かり、かつマスコミも大勢詰め掛けました。
芸能ニュースレベルでは
「元カレの芝居に出るのはナゼ?」的な話題に終始し、
「大竹の狙いは娘IMALUの芸能界デビューに合わせた宣伝」
などという書き方をするところさえありました。
いまや世界の演劇シーンに影響を与えているといっても過言ではない
HIDEKI・NODAの作品に
日本を代表する女優・大竹しのぶが出るのが「娘の売り出しのため」って書く
芸能マスコミって、一体ナニ???
…と思ったのは、私だけでしょうか。
この制作発表の一部始終を見れば、
野田秀樹が芸術監督として本気中の本気、ということがよくわかるし、
野田と仕事をしてきた演劇人たちがそれを支え、
野田はこれから演劇を支えようとしている若い人材に
自由に芝居を作らせて見せるチャンスをどんどん与えようということが
本当にビンビン伝わってきます。
「僕は演劇やって30年間、あまり人に感謝したことがないんですが、
 今回は本当に感謝しています」という野田のひとことに、
芸術監督という新たな場を得て
これからどう自分らしく活動していくか、という
野田の覚悟が見えました。
というのも。
上記ウェブサイトでは一番最後(下)に貼り付けてありますが、
実は記者会見の最初に発言した東京都生活文化スポーツ局長の
秋山俊行氏のあいさつにあるように、
設立19年目の東京芸術劇場という都立の劇場に、今初めて「芸術監督」を置く理由は
「2016年・東京オリンピック招致」のためなんです
演劇を愛する人が考えたのでもなく、
劇場をよくしたいと考えたのでもなく、
「オリンピックを開催する都市」の要件のひとつだったから、
なのであります。
秋山氏の発言と、その他の演劇人の発言との差を見ると、
この劇場、新国立の二の舞になりはしないか、と
ハラハラしちゃいます。
オリンピックを開催する都市は「文化プログラムの策定と
文化行事の実施」が義務付けられているって
開催地として立候補するとき、これ知らなかったのかしら。
それに
「世界の都市の評価の大きなメルクマールのひとつが芸術文化である」ためって、
19年も劇場運営していて、これまで気づかなかったらしい。
大体、芸術監督に野田ほどの人を迎えておいて、
2011年には改修のため、一旦クローズって何?
普通は、改修してから「野田さん、来てください」
あるいは「野田さんのいいように改修」してお迎え、だよねー。
野田が改修に入るまでの二年間を
「ここに劇場があって、ここへ来れば何かおもしろいことが見られる、
 ということを、知らしめるための期間」
と位置づけ、方向性など図れない、というのは当然でしょう。
うーん、
何もかも、ドロナワ的だ…。
改修後も、野田さんは監督やる契約だとは思いますが、
(話っぷりから推測するとそのような感じ)
オリンピックが東京に来なかった場合、
あるいはオリンピックが東京で開催されたとしてその後、
この劇場がどうなるのか。
行政の思惑も何も吹っ飛ぶくらい、
この劇場が演劇発信の愛すべき拠点として存続できるかどうかは
野田さんのがんばりもさることながら、
それを支える、私たち「観客」にかかっている、と思います。
「いい演劇」というのは、人によってものさしが違うので、
好みは分かれるのが当然。
そんなに儲からない、というのも、演劇では当然。
演劇人は一日では育たないし、
観客にも劇場にも歴史が必要、ということを
東京都の人たちが分かってこのプロジェクトに着手してくれているといいんだけど。
秋山氏の触れていた
「石原都知事と野田芸術監督の間で行われたさまざまなディスカッション」の中身を
知りたくなりました。
「演劇とは禍いを福に転じられる芸術」と野田。
そのきっかけや思惑はどうであれ、
一つの劇場を自分の色に染められるチャンスを得た野田が
これからどう動いていくのか。
しっかりと追っていきたいと思います。

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