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「フル・モンティ」と「ウルルン」


フル・モンティ
「フル・モンティ」とはそのまま訳すと「マル出し」とか「フルチン」の意味。
失業男たちが家族を食べさせるために、男のストリップをやろうというお話。
「カネのために脱ぐ」は女の専売特許じゃないことを証明したという意味で、
また「脱ぐ男を見てはしゃぐ女」を容認したという意味でも、
社会革新的な映画といえる。
逆に、「男のコケンに関わる」といった考えや、だからこその逡巡や行動が、
日本人にはすんなり受け入れられるものだから、
彼らが自分の中の何を投げ出し、何を守ろうとして悩むのかが
手に取るようにわかる。
けっこう浪花節なのだ。
その「古くて新しい」ストーリーが、心地よかったのかもしれない。
実話をもとにした、というところがまた強烈。
よくいくGangZhiさんのサイトで、この映画が紹介されているのを見て、
もう10年前の映画なんだー、と感慨ひとしお。
この頃は「フル・モンティ」「ブラス!」とイギリスの映画がヒットした。
サッチャー政権の強硬な民営化路線による不況政策で
それまで、何とか守られていたイギリスの炭鉱町はどん底を経験する。
そういったいきさつがようやく語られるようになった時代の映画だ。
イギリスの田舎町の貧しさ。その貧しい家をも追われる人々。
決して明るい話ではないけれど、
自分たちの誇りと生活とを賭けてたくましく生き抜く男たちのチン奮闘に、
見ているこっちは笑い、そして泣く。
実は、この映画がヒットしたあと
TBSの「世界ウルルン滞在記」で
俳優・勝村政信が、実話フルモンティの男達に「出会っ」ている。
映画そのままのさびれた田舎町で
勝村クン、ストリップに挑戦だ!
家族のために誇りをもってストリップを続ける夫たちと、
彼らを笑顔で暖かく見守る妻たち。
街道を行く女性たちにビラを渡すと
「あなたも出るの? それじゃあ行こうかしら」なんて言われちゃって、
勝村クン、照れること照れること。
本当に、「フル・モンティ」になれるのか、
真剣に悩む勝村の姿は、
そのまま彼らの苦悩でもあったと納得。
自分のすべてをさらけ出すとは、そうそうできるものではありません。
でも、本番の舞台では、
勝村政信、俳優ダマシイ炸裂!!
「コーラスライン」とビレッジピープルとを掛け合わせたようなステージにチン入、
のっけからフェロモン爆出で、
パンツ一丁で女たちを挑発しまくる!!
世界で一番カッコいい男って感じ。
そしてとうとう、みんなと一緒に・・・。
実は「フル・モンティ」になるのは最後の最後だけなんですって。
その意味でも
「ストリップ」ってなるほど~のネーミングだよね。
「脱いでいく」ところに、人はコーフンする、ということなんだ。
どちらかというと、映画の紹介よりウルルンの方の比重が大きくなってしまいましたが、
「役者の違い」を見せつけた勝村のステージングに圧倒されたこの回は、
数あるウルルン名場面の中でも最高峰だと思っております。

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