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「ベクシル」

本日、とうとう封切りの日を迎えた「ベクシル」。
完成度バツグン、ストーリーも描写もガンガン体に響いてくる作品。
アニメ好き、SF好き、メカ好き、サスペンス好き、
ハードボイルド好き、歴史もの好き、そして「三丁目の夕日」好き、
誰が見ても絶対満足します!
西暦2067年、日本ハイテク鎖国開始。
それから10年、本当の日本の姿を見た外国人は誰一人いない。
私たちの国日本に、いったい何が起こっているのか。
                (「ベクシル」パンフレットより)
まず、このコンセプトがすごい。
潜入する主人公たちとともに、
私たちは「ナゾの日本」の姿を一つひとつ知らされていく。
どうしてこんなことになったのか。
その答えをアタマがほしがっている。
しかし、カラダは、
登場人物とともに2077年の危機の中にあって、
「やるかやられるか」の緊張感が常に去らない。
109分間を、あっという間に駆け抜ける、
そのスピード。
最初から最後まで、画面の中と外は運命共同体。
身を硬くして、行き着くところまでぶっ飛ばすしかない。
実は、私、3Dは苦手です。
アニメといったら2次元ワールドでしょうが。
でも、
この「ベクシル」は別。
緻密な画像。
メカや機械たちの造形の素晴らしさ。
光と影で深くつけられた陰影が、リアリティを増幅。
そこに息づく、人々の心情。
気がつくと、アニメだったことなんか忘れてしまう。
国って、一体何?
どこで間違ってしまったの?
それは、人間のもつ悪? 
それとも、性(さが)?
人間であるって、一体どういうこと?
なぜ彼らは命を賭して、微笑んでいられるの?
今とまったく異質な世界を描きながら、
今を生きる私たちに問いかけてくる作品。
最高のツクリモノにして、真のリアルワールドの投影。
「ピンポン」の曾利文彦監督が日本に、そして世界に贈る名作です。
なんと、世界75カ国で上映が決定しています。
ロカルノ国際映画祭では、8000人の観客の前で堂々のワールドプレミア。
ブラボーの声なりやまなかったと言います。
声優についても一言。
黒木メイサ、谷原章介もいいけれど、
何と言ってもマリア役の松雪泰子がバツグンにかっこいい。
ほとんどマリアと同化。
外国でやるときは、ぜひ吹替えじゃなく、字幕で~!
・・・と叫びたいほどクールです。
私が試写で観たのは、2ヶ月前。
「昼間の試写でもすぐに満席になって、見られないから、早めに行った方がいい」と
口コミでウワサが広がったくらい、試写会では群を抜いて評判がよかったです。
私は30分前に行きましたが、すでに数人待っていました。
「ボク、二度目ですよ。この前は15分前でも入れなかったので、
今日はとにかく早く来ました」とは、私の前の人の言。
関係者が来る前に、長蛇の列。
こんなこと、それほどありません。
音楽もワールドワイドなアーティストが参加して作っています。
スタッフもキャストも、全力投球のこの映画。
カラダごと持っていかれる、ジェットコースターのような気分とともに
にじみ出る愛の温かさを、
隣の命のともし火が消える瞬間を、
自分のこととして体験してきてください。

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