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「血まみれギャングママ」


【23%OFF!】血まみれギャングママ(DVD)
ちょっと風邪気味。めまいと熱で家で起き上がれず、
家でテレビを見ておりました。
WOWOWでやっていた「血まみれギャングママ」
1970年の作品ということですが、途中からだったのですが引き込まれまして、
最後まで行ってしまいました!
売春婦との会話がいいの。
コトの終わった直後、
男「オレのこと、愛してるか?」
女「何くだらないこと聞くわけ? これは仕事なのよ」
そしてややあって、こう加える「愛してるわ」
クールすぎる彼女の素っ気ない言葉のなかに、愛が見える!
セリフってこうでなくちゃね。
その彼女にダイアの指輪をねだられて、男は宝石店に強盗に。
大きなダイヤの指輪をはめてやった指の持ち主は…なんと、母親のケイト!
こういうシーンのつなげ方が、またオシャレ。
カラマーゾフの兄弟をモチーフにしたようなところもある。
長兄は粗暴(上の「男」)。
ほかに、頭は回るけどヤク漬けの神経病みとゲイと
素直な男の子の4人を率いて、
肝っ玉母さんここにあり、「あたしが法よ!」てなママ、ケイトが
マシンガン撃ちまくりです。
冷酷で、粗野で、非論理的で、
何かといえば「賛美歌を歌いましょう」的矛盾した人生。
子どもには愛情深く、それは溺愛し、異常な愛もあり、
そんなモンスターな女なのだけれど、
本当に哀しいっていうか、なぜか感情移入してしまいます。
すべての母親が陥っておかしくない落とし穴がそこにある。
その「落とし穴」を自分も息子たちも自覚しているけれど、避けられない。
誘拐した富豪を最後殺すか殺さないかのところが、また泣かせるの。
「その落とし穴の名前は、必然」という
アガメムノンのセリフを思い出してしまう。
「B級映画」って銘打たれてるけど、そんなことないな。
一級のアメリカングラフティだ。
これを見ていると、アメリカっていう国が分かる気がした。
今ちょっとしたブームの「白熱教室」の東大版で
「家族が殺人を犯したら警察に通報するか?」っていう質問が出てたのだけど、
ああ、アメリカは絶対的に「家族」が先だな、と確信。
何をしたって家族の結束は強い。
そうやって生きる国なのだ。
ハーバードのセンセ的にいうと「コミュニタリアン」ここに極まれり、です。
そのよさと悪さをどちらも理解している人が作った映画だから、
心に響くのだろう。
つくづく、
フィクションとは「ありえない皮袋」に「リアルな酒」を入れる作業だと思った。

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