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伊達公子全日本テニス選手権優勝

12年前にプロテニス界を引退した伊達公子(現クルム伊達公子)が、
現役復帰を宣言したのは、今年4月。
その伊達が、復帰半年余りで「日本一」の称号を獲得。
彼女が同選手権で2連覇を果たしたのは、
16年前のこと。
恐るべき38歳である。
復帰したてのころは、
やはりボールに振り回され足がついていかない、
試合時間が長引くと、ミスが多くなる、
連日の試合に体力が徐々に奪われていく、といった兆候が見られたが、
そんな
「やっぱり」を払拭する力強さが
今大会の伊達にはあった。
体力温存を図るためか、以前より省力のストロークを交えながら、
それでも決め球の角度は鋭く、
ライジングを狙いすまして打つ決め球の力強さは以前と変わらない。
「これなら世界と戦えるか??」
と、素人には甘い夢を見せてくれるに十分な試合ぶりである。
しかし。
それにしても、日本のテニス界は、弱い。
12年の間に恐ろしく進化した世界のテニス界の、
パワーにもスピードにも貪欲さにも、
日本の選手達はまったくついていけてない。
伊達が世界ランキングベスト4だったころは遠い夢の向こう。
一人杉山が、特にダブルスでがんばっていてくれたところに、
ようやく錦織圭が登場したけれど。
優勝インタビューで、伊達も言っている。
「12年テニス界から遠ざかっていることからくる
テニス勘(試合カン)を取り戻すこと難しい。
今でも、自分の思った通りにはまだ動けていない」と。
それは、年齢からくる体力の低下との闘いより、ずっと困難である、と。
12年プロでやっていなかった人に、現役選手が歯が立たなかったことを
思いっきり反省しなければ、
「第二の伊達」は生まれないだろう。
「こんな弱い人たちに『私は日本一』なんて言わせていいの?
 少なくとも、私が勝ち取った『日本一』のレベルは、こんなもんじゃない」
・・・という伊達の意地とプライドの軍門に
日本女子テニス界はあっさりと下った感がある。
今回の伊達の優勝に、
「日本女性はすごい! 38歳でもやれる!」なんて
浮かれて喜んでいる場合ではない。
*クルム伊達公子選手のブログはこちら
*本日、有明コロシアムでダブルスの決勝もあり。単複制する可能性、大。

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