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熊川哲也・新作バレエ「ベートーヴェン第九」

Kバレエの3月公演「ベートーヴェン第九」。
ファンのみなさん、
チケット、どうされました? 買いましたか?
最初にファンクラブの優先予約通知が来たときには、
「プレミアムSシート」(\25000)なるものの出現に、正直、頭を割られた。
最前列からの数列で観劇したい場合は、この25000円のチケットを買うしかない。
「終演後、特別ラウンジでダンサーと軽食をともにできる」という特典付きだけど、
とにかく¥25000は高い。
それ以外の、ふつうのSでも¥20000。
熊川が出られるかどうかわからないのに、今までより値上げだよ…トホホ。
藤原歌劇団の合唱付きだから、しかたない面はあるけど、
会場は赤坂ACTシアターだし、どうなんだろ。
文化会館なんかに比べると、舞台狭いよなー、大丈夫かなー、とか、不安材料も多い。
定番じゃなくて新作、それもブランド力のあるコリオグラファーではなく熊川のだし。
熊川の古典再振付には優れた才能があるのはたしか。専門家の評価も高い。
でも、新作はどうか?
最もよかったものは「Passing Voice」。
改作して第二部、第三部とつなげたものより、その際「第一部」となった最初の形が私は好きだ。
(彼が最愛の母を失って綴った、限りある命と永遠の愛が織りなす心象風景である)
第九を全曲振付けるのか、後半の楽章だけなのかわからないが、
はっきり言って「未知数」。
Kバレエ創立以来の「非常時」に、ここまで討って出るかー。
それを私は、どう受け止めればいいの~~~???
25000円あれば、
井上くんと中川くんの「モーツァルト!」がどっちももう一回ずつ見られる、
宝塚のチケットだって、ペアでS席座ってパンフレット買ってお釣りがくる!
…みたいに比較をすると、なかなか決断できず。
迷っているうちに予約期限は過ぎ、
e+のプレオーダーも過ぎ、
気がつけば一般発売も開始されていた。
25000円のプレミアムチケット、けっこう売れているみたい。
売れたことは、Kバレエ・ファンとしてはウレシイ。
けれど、一消費者としては、…やっぱり手が出なかった。
結局年末に、2階の1番前中央の席を購入。
S席、20000円。ふぅ~。
私は賭け事しませんが、
競馬や競輪する人も、こんなふうに迷いつつ「突っ込む」のでしょうか?
(比較対象、適切じゃないか?)
でも、買ってしまうと不思議と「高すぎる」思いは消えた。
今までもS席は18000円だったから、合唱付で2000円増しだと思えば。
熊川がどんなバレエを作ってくるのか、
賭けといえば賭けだけど。
ここのところ、熊川の発言を読み返したりしていて、
彼の、私のアタマでは届かない発想をするところ、
未来を見据えて行動するところに賭けてみよう、と思えてきたのだった。
彼の過去の発言をひもとくうちに、
自分自身の「当時」の気持ちも甦ってきた。
今までも
「この先彼は、どうなっちゃうんだろ?」と思ったことは何回かあった。
そのたびに、思ったものだ。
熊川のバレエを見る前、私はバレエに興味を持てなかった。
つまり「私が好きなバレエ」の範疇の中に「熊川」が入ってきたわけじゃない。
ということは、
熊川の、バレエに対する姿勢にこそ、心の琴線に触れる何かがあったということ。
だから、私は「熊川哲也の思い通りのバレエ」というものに、ついていくしかないんだ。
彼が考え、彼が踊り、だから私は、感動する。
そう考えて彼のバレエを見続け、はや19年。
今や熊川を抜きにしてもバレエが大好きになった私であるが、
天才少年は、その間「ただの人」になることなく、
常に「今まで以上」の感動を提供しながら、ここまで私をひっぱってきてくれた
ここらで、初心に帰ってみるのもいい。
そしてついていこう。
大きくなったKバレエ、ベテランになった熊川哲也ではなく、
今までにない、新しいことにチャレンジしようとする熊川哲也の意気込みに。
そんなふうに購入後の自分を「説得」していたときに、
「バレエ・リュス」を見た。
その中で、「シンフォニック・バレエ」の由来を知る。
交響曲にバレエを振付ける、ということが、「冒険」「未知数」だった時代もあった。
そう考えると、
熊川が第九に振り付けようとするその「大志」のきっかけもほの見えてきたようで、
3月の、ものすごくスリリングな一夜を
今はとても楽しみにしている。
舞台の近くで肉弾と汗とを間近に感じるのも醍醐味だが、
全体を見渡せるところでの鑑賞もよい。
特に今回のように、「振り付け」そのものを見てみたい時は。
一般発売だからこそ、席を指定できた。
「迷う」のも、悪くない。
願わくば、この20000円で、「世紀の大事件」の証人となれますように。
(その時は、プレミアムシートを買った皆様方には、最高の時間が訪れるんですよねー。
 ちょっと、クヤシイ)

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