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新演出「レ・ミゼラブル」@帝国劇場

初日からずいぶん経ってしまいましたが、行ってまいりました。
2階席には高校生らしき一団が。
カーテンコールで180センチはあろうかという男子数人がバッと立って
スタンディングおべージョンをしたのが印象的でした。
帰り際、ほかの男子たちも
「やっべえ、おれ、泣きそうだったよ」
「おれも!」とみな興奮気味。
いいな~。
こういう出会い。
レミゼ見て泣ける感性を持ってる君たちに~かんぱ~い♪
しかし。
それは物語と音楽の力が9割以上。
あとの1割は、「生の舞台」の力。
俳優たちの力は、まだまだ発展途上のものが多かった。
うまい人たちが多かったけれど、
感情の襞がうまく表せていない。
叫ぶような感じが多かったのもちょっと耳障りだ。
感情をぶつけるのと、声を荒げるのとは別物。
一人の人の歌のなかでも一本調子が多かったし、
アンサンブルの歌い分けもできていなくてキャラが埋没していた。
ソロより突出することは求められていないだろうけれど、
アンサンブルは多人数で1つの歌を歌うのだから、
そこを分けて歌うのはただ人数分で割って歌っているのではなく、
割ったところで表現したいものが違うことを理解するべきだと思った。
こういう言い方はなんだが、
このままいくと、劇団四季みたいになっちゃいそう。
一言でいうと、
オーラを感じられる人がいなかった。
その歌を聴くだけで、その場面を見ただけで、背筋がぞくっとするような。
その俳優とその役とが混然一体となって、まるで恋に落ちるように吸い込まれていくような。
「この人がこの役をやるのを、もう一度見たい!」と一瞬で思ってしまうような。
とはいえ、
25年かけて熟成され完璧なる元のバージョンを見た者の目に、
彼らが物足りなく思えるのはしかたがない。
また、演出自体も、まだ手探り状態ではないだろうか。
以前のバージョンでも前半はかなり駆け足状態だったけれど、
今回は最初から最後までせかされている感じで、
何度も見て内容がわかっているから補完して理解できているけれど、
登場人物の心理描写が歌詞のみに依存しているところが薄っぺらく思えた。
もっと余韻がほしいな~。
でもまあ、
今回はスタートでしかないから。
前のバージョンだって、きっと最初から完成されていたわけではない。
多くの舞台を踏み、
そこで力をつけていったはず。
だから、彼らにもがんばってほしい。

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