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「演技について」

友人に連れられていろいろまわった神保町。
ふらっと入った1軒の本屋さんでみつけたこの本。
世界の名優・ローレンス・オリヴィエが語る「演技について
買ってから、もう1年経つよ~。
「つんどく」状態から1歩抜け出し、手にとったらものすごく面白くて、
すぐに読み終えてしまいました。
彼が語るシェイクスピアの作品の数々。
そこにどんな思いをこめ、いかに演じたかを知るのは、
本当に楽しいことだ。
「ハムレット」にリアリティーを持たせたかったこと。
若いときに「リア王」をやった時のこと。
「ヴェニスの商人」シャイロックの造形について。
イギリスが戦時体制の時に演じた「ヘンリー5世」にこめられたもの。
自分の前に「ハムレット役者」と言われ、語り継がれてきた名優たちのこと。
彼らの演技をリスペクトし、その演技プランの核心を理解するとともに、
「この系譜につながってやる」という野心と、
自分ならではのオリジナリティに対する飽くなき探究心。
映画に進出したときのこと。
映画と舞台とのちがい。
映画でなくてはできないこと。
役作りのために日々どんなものを見、読んでいるか。
ある時は場末の芸人。
ある時は美術館の一枚の絵。
古いものにも新しいものにも、
拒否反応を示さず、受け入れ、おもしろがり、
しかし自分らしさは絶対にぶれない。
その懐の深さと芯の強さの共存が魅力だ。
一番感銘を受けたのは、前にもちょっと書いたけど
「3番目の槍持ちは、3番目の槍持ちとして」その舞台の主人公であると信じなければならない。
というくだり。
舞台の板に上がれば、登場人物の数だけ人生があり、
全員が生きるように演じて初めて舞台が成功する。
もう一つが、
「体力がある時には若すぎるし、その年齢になった時には年をとりすぎている」のがリア王、
というセリフ。
この前、平幹二郎がやったのを見ていたから心に残った。
すごーく体力のいるお芝居のようです。
逆であり、また同じでもあるのが「ハムレット」。
見た目の年齢で配役は決まることが多いけど、若者には決して理解できない老人のような哲学がある。
藤原竜也のハムレットが若い肉体に老人の精神、と思った私は正しかった!
そして、
市村正親のハムレットが50歳のハムレットながら、演じるほどに若くなり
違和感がなくなっていったあの感触も。
今度、市村正親がやる「キーン」についても書いてあります。
ハムレット役者の系譜としての、
バーベッジ→ギャリック→キーン→アーヴィングの話はとても面白かった。
長い歴史の中で、彼らは直接の師匠と弟子ではないけれど、
前の名優を「見たことがある」人が、それを自分なりに後世に伝えている、というくだりは特に。
次の名優は、前の名優とまったく個性を異にするけれど、
前の名優のよさ、演技の精神は、きちんと受け継いでいる。
その上での、オリジナリティであり時代性なのだ、と。
名優は同時に有能な評論家であり、分析家であり、
だからこそ、多くの名優は演出もやるんだなー、と、思いました。
演劇が好きな人は必読。
同時代の役者たちとの裏話もあり。
あと、
大好きな「ハムレット」の映画だが、
やっぱりたくさんカットしてるのねー。
フィルムだけでも残っていれば、
今なら「特典映像」でDVD2枚組みで発売されるのにー。
彼の「リチャード3世」観てみたい~。
「ヘンリー5世」も観たい~。

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