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「人間の條件」(第二部・激怒篇)


人間の條件 DVD-BOX
今日は第二部・激怒篇。
一部と二部は、そのまま前後編のようにして続きます。
梶と特殊工人(囚人労働者)との信頼関係はなかなか結べぬまま、
工人の逃亡が繰り返されます。
彼らの反抗が、たまたま居合わせた憲兵の知るところとなり、
とうとう7人が斬首されることとなってしまいます。
やれることは全部やったが、権力のない自分には7人の処分を覆すことができない、
どうすればいいのか、と嘆く梶に、
特殊工人のリーダー・王は静かに、しかしきっぱりと言います。
「鉄条網の外にいるあなたが、私に問うのですか? 
ここで過ちを犯せば、誰も梶さんを信用しなくなるだけでなく、
あなた自身が自分を信用できなくなる。
・・・あなたは自分が思っているより、人を信用していない。必ず味方はいるものだ」
処刑当日立会人にさせられた梶は、
3人の首を刎ねられたところでたまりかね、憲兵に体当たりで反抗を始めます。
すると周囲で処刑を見させられていた囚人たちは、
王の合図で威圧を始め、残りの処刑は中止。
が、梶は逮捕され、拷問され、立場を追われて徴兵免除も取り消され
ソ満国境の前線へと送られます。
日本人の、それも自分たちを閉じ込めている張本人である梶の行動に呼応する現地人。
そんなことってあるのかなー。
・・・と思う自分がいる。
「あなたは自分が思っているより、人を信用していない」
人と人とが信頼しあう未来を願いながら、
私も、梶と同じく本当のところでは懐疑的なのかもしれません。
人を信用しきる、それも不特定多数の「人」を信じるって
すごく難しい。
自分を投げ出すことができて、初めて到達する境地かも。
なるほど、
「身を捨ててこそ、浮かぶ瀬もあれ」って
こういうことなのね。
もう一つ、第二部で心に残ったのは、
労務管理の相棒・沖島(山村総)の言葉です。
「拠って立つところに矛盾があるのに、君はいつまで自分の行動を正当化するつもりか」。
俺らの立場でどんなにいい子ぶったって、自己満足にすぎない。
沖島は、梶の気持には賛同しながら、ストレートすぎる行動に危うさを感じていたのです。
人間が、人間でいようとすると苦しい時代。
「蟻の兵隊」でも奥村さんが言っていた。
「戦争は、私を単なる殺人マシンにした。そうでなければ、あんなことできるはずがない」
刀を持った憲兵の前に3人目の囚人を連れてきた男が、
「やってみるか」と言われ、日本刀で囚人を斬りつけるも、
なかなかとどめを刺すことができない、という場面を観ながら、
「ぐっと睨みつける中国人を刺すとき、少年兵の私は直視などできませんでした」
という奥村さんの言葉を思い出していました。

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