日本の怪獣映画の中で、
「ゴジラ」は特別な地位にある。
それに比べて、
「ガメラ」は最初、ゴジラの対抗でしかなかった。
途中から「子どもの味方」というキャラクターが独自性を発揮するが、
大映という映画会社の衰退とともにシリーズも尻すぼみしてゆき、
「子どもの味方」は「子どもだまし」に近くなっていく。
そして大映は潰れたが、
ここから生まれた「ギャオス」という不世出の悪役キャラは
人々の心の中に永遠に棲みつくこととなる。
そして・・・。
伊原剛志/藤谷文子/ガメラ 大怪獣空中決戦
1995年、金子修介監督がメガホンをとり、特撮監督には樋口真嗣氏という布陣で
平成の世にふさわしい「ガメラ」が作り出される。
「ガメラ 大怪獣空中決戦」は、
先行した「ゴジラ」のリメイク版をはるかにしのぐ完成度で、
オリジナルを知る者にも知らない者にも、
深い感動を与えた。
今回、WOWOW恒例の「年末100時間映画大放送」の一環で、
昭和ガメラ、平成ガメラ全12作を一挙に放送される(12/22~12/28)。
平成ガメラ3作は12/28の朝9時から続けて3本放送。
昭和ガメラのイメージを決定付けた「ギャオス」と「バイラス」は12/25の朝9時より。
私がもっとも愛するガメラの名作「バルゴン」は、12/24朝8:15から。
ガメラがこの世に躍り出た第一作「大怪獣ガメラ」は12/23朝8:15から。
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父・仲野和正は「ギャオス」以降「ジャイガー」まで企画に携わった。
私が結婚する時、夫が
「ええ?? ガメラ対ギャオスを作ってたんですか??」と言って感激したのを、
父はとても嬉しがっていた。反面、
「大映がなくなっても、ガメラやギャオスがこんなに長く生き続けるとはなー」と
複雑な思いもあったようだ。
平成ガメラの復活を知らずにこの世を去った父。
ここまでメジャーになったガメラシリーズに、どんな感想を抱くのだろう。
私は、
もちろんキャラそのものの魅力やオリジナルの持つ力は前提としてだが、
金子監督のリメイク版の素晴らしさが最も貢献していると思う。
「子どもだまし」でシリーズを終えていたガメラに
「怪獣の恐ろしさ」というスタンスをきちんと与え、
しっかりした筋立てと構成で映画自体も「子どもだまし」にしなかった。
彼の功績は偉大だ。
父は携わっていない映画だが、私が最も愛する「バルゴン」と同じ匂いが、
平成ガメラ第一作にあるのだ。
とにかく、何が起きるかわからず、とっても「こわい」。
その恐ろしさを、楽しめる映画。
決してWOWOWのまわしものではありませんが、
視聴できる環境の方、ぜひお見逃しなく!
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