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「P.S.アイラヴユー」

愛してる、愛してる。
愛しているけど、生活は楽じゃない。
他人にマイホームを売る仕事をしながら、
こんな小さな借家住まいなんて・・・。
一体いつになったら一息つけるの?
・・・なのに、アンタはいっつもジョーダンばっかり言って、
なんでアンタはそんなにお気楽でいられるのよ~!!!!!
そりゃ、子どもはほしいわよ。
だけど、それには家が先。
稼がなきゃ、稼がなきゃ・・・。
・・・みたいなカリカリ妻・ホリー(ヒラリー・スワンク)と
「カネなんてなくてもいいじゃん。家なんて、テントだっていいじゃん。
 何にもなくたって、キミさえいればハッピー。
 俺は生きていけるよ、子猫ちゃん! キスキスキス~!」
・・・みたいなノーテンキ夫・ジェリー(ジェラルド・バトラー)がおりました。
ところが、このアイルランド人のノーテンキ男・ジェリーが、
あっという間に死んでしまうんです。
何でも受けとめていてくれた年上夫を失って、
ホリーちゃんはただただ泣いているばかり。
仕事は休む、家は汚れる、周りの人もお手上げ。
そこに、夫からのプレゼントが!
・・・死んだ人からの手紙から始まる映画は数々あれど、
そういうのって、
恨みだったり裏切りだったり、秘密の吐露だったり、というパターン多し。
この話は、
「死んでからも、残された幼な妻を心配し、あれこれ世話を焼く」
という、女冥利につきる手紙の物語です。
ヒラリー・スワンクは、
自分の感情を制御できないお子チャマ型の女性に挑戦。
10代で、アイルランドに行って、年上男にすーぐにマイッちゃって、
結婚しましたー。という役どころです。
「ミリオンダラー・ベビー」や「フリーダム・ライター」で貼りついてしまった
「不屈の魂」型女性のイメージから解放されたかったのかな?
でも、
こういう言い方をすると酷ですが、
別にヒラリー・スワンクでなくてもこの役はよかったかな、という感じが・・・。
小鹿ちゃんみたいなヒラリーはかわいいけど、
映画としてのスケールはなかったです。
ともすれば音楽とともに平板に流れていっちゃうこの映画を
笑いとペーソスでひきしめていたのが
若き未亡人ホリーを慰めようとやっきになる、
デニース(リサ・クドロー)とシャロン(ジーナ・ガーション)とのやりとり。
女友達3人の関係がとても現実的に描かれ、
思わず笑いを誘います。
特に、
往年の人気ドラマ「フレンズ」でフィービー役だったリサ・クドローは、
ギャルがそのままOLになっちゃった感じのキャピキャピ感と、
口は悪いがとっても友達思いのところをうまく演じて魅力的。
彼女を主役にしたほうがよかったのでは?と思ってしまったりも・・・。
最終的にはお定まりの
「ボクなしでも、もう大丈夫だね」に至るお話ですが、
そういうロマンチックな流れより、
3人のアメリカ女性をめぐる日常会話がとても面白かった。
そんな中にも厳然とした格差社会が見える、というか、
同じ「女友達ひきこもごも」物語であっても、
「Sex And The City」ほど洗練された都会のニオイはしません。
サブプライム問題じゃありませんが、
今アメリカ人って、けっこう自信喪失してるのかも。
話の端々に自虐ネタ(アメリカ人ってダサイ、みたいな)があって
ちょっとびっくりしました。
ついたり離れたり、ケンカしたり抱きしめたりしながら続く
「仲良し3人組」の傷心旅行アイルランド珍道中は、
卒業旅行とか同窓会とか、そういうのを思い出させて心がほっこりします。

「P.S.アイラヴユー」
は10月18日から全国ロードショー。
名優キャシー・ベイツの存在感も光ります。

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