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第16回新人戯曲賞決定&公開審査会

12/11(土)12/12(日)に
東京の座・高円寺で日本劇作家協会の「リーディングフェスタ2010」が開催され、
そのトリを飾ったのが
第16回新人戯曲賞の公開審査会だった。
応募作170作品から最終ノミネートに残った6作品について、
マキノノゾミ、ケラリーノ・サンドロビッチ、坂手洋二、
斉藤憐、渡辺えり、横内謙介、佃典彦の7作家が
小松幹生の司会で激論を交わすのである。(敬称略、司会以外下手から着席順)
この審査員の選定も、
応募者が「この人に読んでもらいたい」と希望した作家たちの上位7人、という
趣向になっていて面白い。
ノミネート作品はすでに
「優秀新人戯曲集2011」(ブロンズ新社)という本になっていて、
それを読んで審査を見るとより面白いし、
審査会に先立って各作品の冒頭15分をリーディングで見せる試みもあり、
観客は審査員と一緒にいろいろな思いを重ねることができて
審査している気分になれるのも楽しい。
今回は
「トラックメロウ」(平塚直隆)と
「ここまでがユートピア」(鹿目由紀)が同時受賞という初めての形になった。
審査が公開であることで
その作品の何が捨てがたかったのか
劇作家たちが新人に、あるいは演劇や演劇の未来に
何を期待しているかもよく理解できた。
なにより、
審査員1人ひとりが戯曲から読み取るものが全然ちがうところが
ほんとに興味深く、
また自分の作風に近く期待しているからこそ辛口になったり、
逆に自分とは合わないテーマだけれど技術的なよさを擁護したり、と
それぞれのアプローチの仕方も素敵だった。
一番おかしかったのは、
「ここまでがユートピア」に出てくる「自分で守るべきルールを10作る」という仕掛けについて
「僕も自分でつくってみたんだよね、ルール10個。そしたらね…」
って言った佃さん。好きだわ~。
納得するまで「なぜ」を連発する渡辺さんもパワフル。
女性を描くということの社会性について一つひとつ確認する作業は
ときにしつこく感じられたかもしれないけれど、
審査員中女性が1人だったこともあり、
それは自分の使命であると自覚してのことでもあったようだ。
笑い溢れ熱のこもった演劇論が山場を迎えると
「はい、ゴメン。時間ないから。じゃ、次の作品行きます!」っていう
小松さんのさばき加減がまた絶妙で。
何がいい悪いではなく、いろいろな意見が飛び交う中、
演劇の面白さ、深さ、遊べる楽しさ、学べるマジメさ、広める力、
多角的に見えてきた。
ものすごーくいい時間が過ごせたので、
来年も絶対行こうと思いました。
来年まで待てない人には
「劇王VIII」をおすすめします。
これは小規模演劇を観て、観た人つまりアナタが投票できるという
これまた魅力的なフェスティバルです。
名古屋の長久手(文化の家 風のホール)で
来年の2月5日6日にやります。
今回同時受賞したお2人は、いずれも名古屋を基盤に活躍している人で、
この「劇王」の常連さんです。
……で。
たいへん申し訳ないんですけど今日、ものすごく忙しくて
これ以上説明できませんっ!
「劇王」についてはまた日を改めて。
本日は、これにておしまい!

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