映画・演劇・本・テレビ、なんでも感動、なんでもレビュー!

  1. 舞台
  2. 27 view

「ベニスの商人」


ヴェニスの商人
アル・パチーノが絶対やりたい!といってできた映画。
彼が主演なら、とベニスの世界遺産なみの文化財はみんな使えたといいます。
昔から、「ベニスの商人」といえば、
ごうつくばりの金貸しシャイロックが、 借金のカタに人の肉までとろうっていう
血も涙もないユダヤ人に大岡裁きが下る、みたいな話だとされていますが、
最初シャイロックは「金利なし」で金を貸そうとしていたっていうこと、ご存知でした?
キリスト教のおしえに従うと、金貸しという職業にはつけないから、
キリスト教徒でないユダヤ人がこの職業になった(他の職業から締め出されていたこともある)
というところまでは知っていましたが、
そのユダヤ人に対しても「金利はとるな!」がまかり通っていたとは、知りませんでした。
とにかくユダヤ人差別は根深い。
土地を所有することもできない。狭い地域に押し込めてそこで暮させる。
しかし、彼らから金は借りる(金利なし)など、甘い汁は吸う。
必要ならば、自分たちの町に来て商売してもいい。
しかし出すぎたユダヤ人を許しはしない。
多くの差別がそうであるように、「人間」として見ていないんです。
そんな蔑みに耐えて暮らしていたのに、
娘は新しい未来を求めてキリスト教徒と駆け落ちし、改宗してしまう。
裁判でのシャイロックの怒りは、孤独の中で増幅されたものとみえます。
「求める以上の正義をやろう」と下された判決によって、
シャイロックは財産だけでなく、ユダヤ教も剥奪されます。
しかし、キリスト教に改宗させられても、彼はユダヤ人街にしか住めません。
彼の目の前でシナゴーグ(ユダヤ教会)の扉が閉ざされるラストは、
すべてのコミュニティーから締め出されたシャイロックの心を表して、ずしんと響きます。

舞台の最近記事

  1. 内博貴主演「シェイクスピア物語」

  2. 演劇界休刊の衝撃

  3. 動画配信を始めました。

  4. 「桜姫〜燃焦旋律隊殺於焼跡」@吉祥寺シアター

  5. 8月・カンゲキのまとめ

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。


Warning: Undefined variable $user_ID in /home/nakanomari/gamzatti.com/public_html/wp-content/themes/zero_tcd055/comments.php on line 145

PAGE TOP