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「ブラッケン・ムーア 荒地の亡霊」@シアター・クリエ

今NHKの朝ドラ「なつぞら」で、主人公なつの兄・咲太郎役を熱演している岡田将生が主演の舞台「ブラッケン・ムーア 荒地の亡霊」を観に行ってきました。

イギリスのヨークシャー州にある邸宅の一室だけで展開するワンシチュエーション・プレイ。テイストはゴシック・ホラーです。
10年前、12歳の息子エドガーを痛ましい事故で亡くしたプリチャード夫妻(益岡徹・木村多江)の元に、久々にやって来たエイブリー一家。死んだエドガーと仲がよかったテレンス(岡田将生)がエドガーの部屋で寝ていると、毎夜悪夢を見、とうとう何かに取り憑かれたように、うわごとを喋り始める。
エドガーの母エリザベス(木村)は、それがエドガーの魂だと疑わない。合理主義の父ハロルド(益岡)は、スピリチュアルな世界を信じようとせず、テレンスが芝居をしていると決めつける。しかしテレンスは、知り得ないはずの事実を次々と口にし、「僕を見つけて!」と亡くなったブラッケン・ムーアの炭鉱跡の方を指さすのだった。

途中1回休憩がありますが、前半はとにかくゴシック・ホラーの色合いが強くミステリアスで、一幕の幕切れには思わず背筋がゾッとしました。
二幕中盤、全てが終わったかと思いきや、そこからがこの芝居の真骨頂。まさかの展開が待っています。
岡田テレンスはものすごく出番が多く、セリフも多く、感情の起伏もしっかり演じて素晴らしい出来ですが、最後まで観て感じたのは、テレンスは決してこの物語の主人公ではない、という事。子どもの死から解放されない妻と、その死から逃れようとする夫の、価値観のぶつかり合いこそがテーマとなっています。
「こうなるだろう、こうなるだろう」という予定調和に絶対にはまらない、その物語の骨太さには感服します。益岡徹は難しい役どころですが、「受け」の表情が素晴らしい。木村多江の透明さが、時に強く、時に優しく、舞台を彩る。質の高いお芝居でした。

 

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