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「舞台は夢」役者編

昨日に引き続き、「舞台は夢」について。
あらすじはこんな感じ。
ずい分前に家を飛び出してしまった息子が、
今生きているのか死んでしまったのか、
どうしても知りたい父親が、
友人の紹介で、洞窟にいる魔術師に会いにいきます。
魔術師は、「息子は立派に生きている」といい、
その様子を見せてくれる、というのです。
そこで繰り広げられる息子クランドールの「これまで」。
ほらふきな隊長・マタモールの家来になり、
マタモールが惚れた女性・イサベルとの仲をとりもつ役でありながら、
逆にイザベルと相思相愛、
その上、その女性の侍女・リーズもたぶらかし…
つまり女ったらしであって、
でも女にものすごく惚れられちゃうから
危ない目にあっても女が助けてくれるし、
ちゃっかりしてるもんで
どんどん出世してしまう男なのでした。
でも、
やっぱりワルイコトはできないもので、
最後の最後に、彼は・・・・・・。
見どころの一つ目は、
段田安則が、魔術師アルカンドルと隊長マタモールの二役を、
見事に演じ分けているところ。
長いセリフがたくさんあるけれど、声はよく通るし、
「おかしみ」が沸いてくる。
天性のものがありますね、この人。
二つ目は、
高田聖子の小劇場的喜劇のカンがさえわたるところ。
彼女が扮するリーズは、とっても難しい役で、
お仕えするお嬢さまと同じ人(つまり堤真一)を愛し、
二人の女を天秤にかける彼を憎み、
でもその愛憎すべてをのみこんで、クランドールのためにあらゆることをする、
ものすごくドラマチックな女性です。
ドタバタの場面のあとに続く、
静かな、しかしよく通る声でしんみりと語るセリフに
胸打たれます。
三つ目は、
終盤に出てくる田島令子の存在感。
アニメ「ベルばら」オスカルの声優の人、といえば、
わかってもらえるだろうか。
堤真一に言い寄られ、その気になったらハシゴをはずされる
大公妃ロジーヌの役。
もうかなりのベテランなのだけど、
こんな体当たりな、こんな笑いをとるような演技をする人とは、
ついぞ知らなんだ。
堤真一は、
前半は、少しセリフに力が入りすぎて、
叫ぶにしても笑わせるにしても、少し浮いて感じた。
高田聖子、秋山奈津子、田島令子と
3人の女と関わっていくのだけれど、
私的には、
最後「イザベルとリーズが陰で見ていることを知りながら大公妃と対する」場面が
もっとも堤の演技が光ったところだと思う。
秋山奈津子は、「わが魂は輝く水なり」の巴御前がよかったので、
ちょっと期待しすぎたかも。
セリフが一辺倒で、こなれていない感じがした。
変化のつけづらい、その意味では逆に難しさのある役ではあるが。
この話、
「舞台は夢」というタイトルにふさわしいエンディングを迎えます。
そのことを含め、
明日もう一回書きます。
なぜなら、私が行った日は、劇の終了後にシアタートークがあったので。

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