映画・演劇・本・テレビ、なんでも感動、なんでもレビュー!

  1. 11 view

「教室の悪魔」


教室の悪魔
いじめを受けて自殺する事件が立て続けに起こった時期、
朝日新聞に著名人の「呼びかけ」記事が毎日載ったことがあった。
あの中で、私が一番好きだったのは、
元マラソンランナーでスポーツライターの増田明美さんのものだった。
アルピニストで環境活動家の野口健さんのもよかった。
なぜこの2人のことを覚えているか、というと、
彼らは「逃げないで」「がんばって」とは言わなかったから。
いじめられている人の心に寄り添って書いていたから。
この「教室の悪魔」を読むと、
「いじめに負けないで」がどんなに残酷な言葉かがよくわかる。
そして、
一番大切なことは、子どもを守る「覚悟」。
親も、先生も、
とにかく「いじめは絶対いけない」という気持で
一丸になって取り組む。
子どもたちに「こりゃ、ただごとじゃない」と思わせる。
つまり「大人はホンキだ」ということを見せるのだ。
イジメがあったかなかったかの迷路にとりこまれないこと。
これも大切だということがわかった。
児童相談センターで実際に相談の最前線にいる著者だからこその、
子どもに対する愛情溢れる視線が涙腺を刺激します。
親の苦悩に対しても、多方面で理解を示しながら、
陥りそうな誤った対処を指摘してくれます。
それほど時間がかからないで読める本なので、
子どもに関わるすべての人に、一度は手に取り、読んでほしい本です。

本の最近記事

  1. 「桜桃忌」に寄せて

  2. 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」@村上春樹

  3. 「ヴィヨンの妻」@シネマナビ342

  4. 「人間失格」@シネマナビ342

  5. ユゴー「クロムウェル序文」と「エルナニ」

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。


Warning: Undefined variable $user_ID in /home/nakanomari/gamzatti.com/public_html/wp-content/themes/zero_tcd055/comments.php on line 145

PAGE TOP